2020.06.12
トラックを売却する時の仕訳方法を個人事業主・法人別に徹底解説!
こんにちは!シマ商会です!
事業用に使用しているトラックを売却すると、現金が入ってきます。
トラックを事業用としてのみ使っている場合には経費計上ができますが、トラックの売却時にも計上する必要があります。
しかし、手元に入った現金をどのように会計処理をしたらよいか悩んでしまいますよね。
そこで今回はトラックを売却する際の仕訳方法について、個人事業主・法人別に詳しく解説します。
目次
トラック売却の仕訳は法人と個人事業主で違う!
トラック売却時の会計処理では法人と個人事業主で書き方が変わり、売却金額の仕訳方法は「減価償却が直接法or間接法」「消費税の処理が税込経理or税抜経理」かによっても異なります。
減価償却には「減価償却した金額をそのまま帳簿に記載する方法(いわゆる直接法)」と、「帳簿上で減価償却をする方法(いわゆる間接法)」があるため、どちらの方法で記載するかを選ぶ必要があります。
直接法は貸借対照表で資産の科目と一致するので、資産状況をすぐに把握できるのがメリット。
一方、間接法は記入科目が多いですが、購入時の価格をそのまま記載するので、使った費用や減価償却した費用がわかりやすいです。
異なる点を事前に把握することで、事業の実態や個人の事情に合った仕訳方法を選ぶことができるので、ぜひ理解しておくべき!
まとめると、法人と個人事業主でそれぞれ以下の4パターンずつの仕分け方法になります。
- 直接法・税込経理
- 直接法・税抜経理
- 間接法・税込経理
- 間接法・税抜経理
4パターンの分け方自体は共通ですが、法人と個人事業主で項目の記載方法が異なるため、次で詳しく説明していきますね!
中古トラック一覧
法人がトラックを売却した場合の仕訳方法
法人がトラックを売却して損益が出た場合、勘定科目は「固定資産売却益」「固定資産売却損」になります。
ただし、トラックを売却した場合はその中にはリサイクル預託金相当額も含まれていることが多いので、仕訳の時には注意が必要です。
①:直接法・税込経理
まず、トラックの売却額を「現預金」として借方に記入します。
そして貸方にトラックの購入費用から減価償却累計額を差し引いた、トラックの帳簿価額を「車両運搬具」として貸方に記入。
トラックの購入時に別途支払ったリサイクル預託金も貸方に入れます。
売却したことによる損失額は「固定資産売却損(または車両売却損)」として借方に記入。
逆に、売却によって利益が出た場合は利益額を「固定資産売却益(または車両売却益)」として貸方の方に記入します。
②:直接法・税抜経理
税抜経理の場合も①と課税される金額は同じですが、記入方法が変わります。
貸方に売却額の消費税を「仮受消費税」として外に出して記入します。
車両運搬具も税抜額で記載する必要があるので注意しましょう。
③:間接法・税込経理
①の直接法・税込経理とほぼ同じですが、トラックの購入費用はそのまま記載するため合計金額は直接法より大きくなります(実際の金額は帳簿上で減価償却をするので同じです)。
減価償却累計額に関しては、借方へ記入します。
④:間接法・税抜経理
車両売却損は②の直接法・税抜経理の場合と同じです。
④は減価償却累計額、仮受消費税ともに項目立てして記載するため、項目数が最も多くなります。
個人事業主がトラックを売却した場合の仕訳方法
個人事業主がトラックを売却した場合、資産の売却ではなく個人から法人へ資産を譲渡した「譲渡所得」という扱いになります。
そのため、固定資産の帳簿価額と売却価額との差額は「事業主借」「事業主貸」として計上します。
①:直接法・税込経理
個人事業主の場合は法人の場合に借方への記載で固定資産売却損(または車両売却損)だったところが「事業主貸」に変わるだけで、金額は変わりません。
貸方へ記載する固定資産売却益(または車両売却益)の部分は「事業主借」として書きます。
②:直接法・税抜経理
法人の場合の貸方に売却額の消費税を「仮受消費税」として外に出して記入する点は同様で、①と同じく「事業主借」「事業主貸」の書き方に変えます。
個人の場合も税抜処理では事業主貸の金額が税込処理の場合よりも減ります。
③:間接法・税込経理
減価償却累計額を省略せずに項目立てし、①と同じく「事業主借」「事業主貸」の書き方に変えます。
④:間接法・税抜経理
減価償却累計額と仮受消費税を項目立てし、①と同じく「事業主借」「事業主貸」の書き方に変えます。
トラック売却時の仕訳方法は法人と個人事業主で異なる!
事業用に使用しているトラックを売却するときに、法人と個人事業主で仕訳が異なることを、事前にしっかり把握しておきましょう。
トラック売却金額の仕訳方法をまとめると、
- 減価償却が直接法or間接法か
- 消費税の処理が税込経理or税抜経理か
によって異なり、法人と個人事業主でそれぞれ4パターンずつ、計8パターンの仕訳方法があります。
直接法は資産状況をすぐに把握できるというメリット、間接法は使った費用や減価償却した費用がわかりやすいというメリットがあるので、事業の実態や個人の事情に合った仕訳方法を選べると良いですね。