2020.11.23
ユニック車とは?種類や必要な資格も解説!クレーン車とは違う?
こんにちは!グットラックshimaです!
皆さんは、ユニック車を知っていますか?
聞いたことがある、知っている!という方もいるかと思いますが、その明確な特徴や、運転免許などの細かいこととなると、あいまいなこともあるのではないでしょうか。
また、よく聞く「クレーン車」とは違いがあるのかなども気になるところ。
そこで今回はユニック車について、その特徴や種類を詳しく解説します!
目次
ユニック車の特徴や種類は?クレーン車とは違う?
「ユニック車」とはクレーンを装備したトラックの通称で、トラッククレーンの一種。
取り付けられたクレーンを使って重量物を荷台に積んで運搬することができるトラックです。
使用用途によって、「ブーム」と呼ばれるクレーンの竿部分の長さを調節できるように作られています。
最大4段まで伸びるタイプがメジャーですが、山間部で川越しに積荷を移動させるなどが必要な場合は5段〜6段タイプが選ばれます。
ユニック車は、クレーンの伸びだけでなくクレーンの場所などにも違いがあり、大きく3種類に分けられます。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
ユニック車の種類と特徴
①キャブバック型
キャブバック型は、運転席と架装の間にクレーンがあるタイプのユニック車。
最も一般的なタイプで、レッカーにも使用できるのが特徴です。
JAFのロードサービスに使用されているのもこのタイプ。
②ハイアウトリガー型
ハイアウトリガー型は、アウトリガーで車体を持ち上げ、支えながら作業できるタイプのユニック車。
車両や重機のような重量物の運搬作業では、重心が取れず不安定になることがあります。
それを防ぎ、安定した状態で作業できるのが特徴です。
アウトリガーには以下の3つの種類があり、それぞれの用途に応じて車体の装備を選ぶのがポイントです。
- リアアウトリガー…車体の前だけでなく、後ろにもアウトリガかあるタイプ
- 差し違いアウトリガー…角足とも呼ばれ、アウトリガ下部(ジャッキ)が四角い。高い安定性があるタイプ
- ハイアウトリガー…アウトリガの長さが長く、車体を高く持ち上げられる。重機などの運搬に向いているタイプ
③荷台内架装型
荷台内架装型は、架装内にクレーンが装備されているタイプのユニック車です。
キャブバック型と比較すると、コンパクトで狭い場所での作業がしやすいのが特徴です。
ユニック車とクレーン車の違う?
ユニック車とクレーン車は、実は呼び方が違うだけで同じ車両のことを指します。
実は「ユニック車」とは、正式名称ではありません。
正式名称は「搭載型トラッククレーン」、つまり一般的にクレーン車と呼ばれるものなのです。
ではなぜ、ユニック車という通称が使われるようになったのでしょう。
その理由は、古河ユニックというメーカーの人気商品「ユニック」にあります。
古河ユニックが製造した搭載型トラッククレーンを「ユニック」と商標登録して販売し、有名になったため「ユニック」がクレーン車の総称として使われるようになりました。
現在では他にも搭載型トラッククレーンを製造しているメーカーがありますが、他メーカー(タダノや新明和工業)で製造した車両も「ユニック車」と、通称で呼ばれています。
ユニック車の販売車両
ユニック車の操作に必要な免許・資格とは?
ユニック車は荷台に載せて公道を走る際、荷物の最大積載量や車両の総重量によって、必要な運転免許(取得資格)が違います。
以下に基準を示しますので、取得の際の参考にしてくださいね。
公道走行時に必要な免許
以下はユニック車の公道運転時に必要な免許です。
- 普通自動車免許…最大積載量3t未満、車両総重量5t未満
- 中型自動車免許…最大積載量6.5t未満、車両総重量5t以上11t未満
- 大型自動車免許…最大積載量6.5t以上、車両総重量11t以上
クレーン操縦時に必要な免許や講習
次に紹介するのは、ユニック車のクレーンで荷物を吊り上げる際に必要になる免許や講習です。
吊り上げる荷物が0.5t~1t未満の場合…「小型移動式クレーン運転の特別教育」
安全や衛生のために、誰でも受講することができ、受けることを義務付けられている特別教育です(受講時間は13時間程度)。
吊り上げる荷物が1t以上5t未満の場合…「小型移動式クレーン技能講習」
作業をする際は、受講することが義務付けられている講習です。
小型クレーンが搭載されているユニック車の操作にはこの資格が必要です(講習時間は最長20時間、実務経験により時間短縮あり)。
吊り上げる荷物が1t以上のクレーンの場合…「玉掛け技能講習」
作業をする際は、講習を修了する必要があります。
また、その名の通り、移動式クレーンの玉掛け作業をする場合にも必要不可欠ですので、ユニックやクレーンの作業をするならば、取得しておいた方がいい技能です(受講時間19時間程度)。
吊り上げる荷物が5t以上の場合…「移動式クレーン運転士免許」
吊り上げ重量が3t以上になるとクレーン等安全規則の規制が厳しくなるので、一般的な車種は吊り上げ重量3t未満です。
そのため、5t以上で必要になるこの資格は、労働安全衛生法で定められた国家資格です。
作業の際には必ず免許証を携帯しましょう。
ユニック車を買う時のチェックポイントは6つ!
ユニック車(クレーン車)をいざ買おう!と思ったときに困らないよう、購入時のチェックポイントを整理し把握しておきましょう。
ここでは、失敗しないユニック車選びのポイントをご紹介します。
チェックポイントは以下の6つです。
車両総重量
車両総重量は、クレーンで吊り下げられる重量に影響を及ぼします。
基本的に「吊り下げ重量<車両総重量」となっていなければなりません。
重いものを吊り下げる頻度が高いならば、車両総重量もそれより重いユニック車にする必要があります。
吊り下げ重量と車両総重量の目安を、下記に示しておきますので参考にしてください。
- 吊り下げ重量2.2t~2.6t<車両総重量5t未満
- 吊り下げ重量2.63t~2.93t<車両総重量8t未満
- 吊り下げ重量2.63t~2.93t<車両総重量20t~25t
ラジコンの有無
クレーンの操縦席からは、有線で操作できるクレーンですが、無線操作できるようにラジコンが装備されているユニック車があります。
現在では、ラジコンの装備されているユニック車が主流なので、装備されている車種を探すのは容易でしょう。
ラジコンが装備されていない車種であれば、購入コストを下げることができるので、ラジコンが無くても問題ない場合は装備されていない車種がねらい目でしょう。
アウトリガーの装備
アウトリガーは前述したように、車体を支え安定して作業を行うために必要です。
重量のある荷物を吊り下げることが多い場合は、アウトリガーが装備されている車種を選びましょう。
クレーンのブーム段数
クレーンは、ブーム段数で長さが決まります。
「長さ=作業半径」となるので、作業場所の広さも考えて、車種を選ぶ必要があります。
また、吊り上げる高さにも影響してくるので、慎重に選びましょう。
もっとも一般的なのは4段で、5~7段になると販売価格や買取価格が上がります。
クレーンの吊り下げ重量
クレーンの吊り下げ重量によって、受講しなければならない講習や必要免許が異なるため、吊り下げ重量の可能重量は重要なチェックポイントです。
先にもお話しした通り、5t以上は国家資格が必要なこともあり、吊り下げ重量が3tを超えるとクレーン等安全規則の規制も厳しくなります。
しっかりと考慮しておきましょう。
フックの収納方法
車種によって、クレーンのフックを収納できる「フックイン」がついている場合があります。
フックインにクレーンのフックを収納することにより、安全に公道を運転することができます。
フックインがなくても問題なく走行できますが、フックをワイヤーで結ぶという少し不安定な収納状態になります。
「ユニック車」とは搭載型トラッククレーンのこと!
正式名称「搭載型トラッククレーン」のユニック車。
通常、クレーン車と呼ばれることも多いです。
古河ユニックが商標登録した「ユニック」が世間に浸透して、現在では他メーカーで製造するものもユニック車と通称で呼ばれています。
ユニック車はキャブバック型、荷台内架装型、ハイアウトリガー型の3種類があり、それぞれの特徴を活かして活躍しています。
クレーン操作にも資格が必要で、吊り上げ重量によって以下のように分けられています。
- 吊り上げる荷物が0.5t~1t未満の場合…「小型移動式クレーン運転の特別教育」
- 吊り上げる荷物が1t以上5t未満の場合…「小型移動式クレーン技能講習」
- 吊り上げる荷物が1t以上のクレーンの場合…「玉掛け技能講習」
- 吊り上げる荷物が5t以上の場合…「移動式クレーン運転士免許」(国家資格)
いざ購入となったら、車両総重量、ラジコンの有無、アウトリガーの装備、クレーンのブーム段数、クレーンの吊り上げ重量、フックの収納方法についてチェックしましょう。
ユニック車の特徴を知ったうえで、使用用途に合った自分好みの1台を選べると良いですね!