2020.06.11
トラックから黒煙が!原因や対処法をご紹介。白煙とは何が違う?
こんにちは!シマ商会です!
黒煙を吹きながら走っているトラックを見たことはありませんか?
実は使用中のトラックから出る黒煙は、環境破壊につながります。
近年は大気汚染への関心が広まったこともあり、多くの人がこの黒煙を意識するようになりました。
そもそも黒煙はなぜ発生するのか?
起こった場合、どう対処すればよいのか…。
何も知らなければ不安がつのってしまいますが、正しい情報を身に付けることで安心してトラックを運転できますよ!
そこで今回は、トラックから出る黒煙の原因や対処法などについて詳しくご紹介します。
目次
トラックから出る黒煙の原因とは?
トラックの黒煙とは、トラックのマフラーから発生する黒い煙の廃棄ガスのことです。
この黒煙の正体はPM(粒状化物質)で、大気汚染に大きく関係します。
国内では近年環境問題への取り組みが推し進められ、トラックの黒煙排出撲滅に対する取り組みが行われています。
国土交通省では各地の出先機関である陸運支局に「迷惑黒煙相談窓口(黒煙110番)」を設置し、黒煙を排出するトラックを発見した場合の通報を募っています。
陸運支局は通報されたトラックの使用者宛に「自主点検のお願い」を内容とするハガキで通知することにより、当該自動車の使用者に対し指導をし、トラックの黒煙排出撲滅を進めています。
この黒煙が発生する主な原因はさまざまですが、共通するのはディーゼルエンジンの不完全燃焼です。
以下の3つが原因といえるでしょう。
原因①:エンジンの燃焼に必要な酸素不足
ディーゼルエンジンは絶えず一定の量の空気を吸入し、そこへアクセルの踏み具合に応じて燃料を噴出・燃焼させて走行のエネルギーに変えています。
この際に吸入する空気の量が少ないと、燃焼するための酸素が不足してしまうため不完全燃焼が起こり、燃焼しきれなかった燃料ガスが黒煙となって排出されます。
原因②:エンジンの劣化による燃料の圧縮力不足
ディーゼルエンジンではシリンダーやピストンリングを使用し、燃料を圧縮することで着火し燃焼させる構造になっています。
そのため、シリンダーやピストンリングが摩耗していると、燃料の圧縮力不足が起こって不完全燃焼につながります。
原因③:燃料の供給における不具合
燃料の供給量が酸素に比べて多い場合や、噴霧するノズルの状態が悪く油滴や粒状で燃料が送り込まれている場合は、適切に燃焼がされません。
その場合に、不完全燃焼となって黒煙が発生するケースがあります。
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トラックに黒煙が起こる原因ごとの対処法も知ろう!
先ほどご紹介したとおり、黒煙の発生原因はディーゼルエンジンの不完全燃焼の可能性が高いです。
これらの発生原因を改善することで、黒煙の発生を抑えることができますよ。
対処法①:エンジンの燃焼に必要な酸素不足の場合
エアクリーナーの汚れにより、酸素不足が起こっている可能性が高いです。
まずは、エアクリーナーの清掃や交換を行ってみましょう。
空気の吸入量を増やして、吸入酸素量不足による黒煙の発生を防ぎます。
対処法②:エンジンの劣化による燃焼の圧縮力不足の場合
シリンダーやピストンリングの摩耗が原因なため、これらの装置の点検が必要ですが、深刻な状態であることも予想されます。
調整で改善できない場合は、エンジン内部の状態を点検・清掃を行いつつ必要に応じて部品交換を行う「オーバーホール」が必要となります。
セルフメンテナンスでは難しいため、整備工場に依頼するのが確実でしょう。
対処法③:燃焼の供給における不具合の場合
燃料の噴射ポンプや噴射ノズルに不具合が出ている可能性があります。
そのため、燃料の噴射ポンプの点検や整備・交換を行い、燃料の供給状態を適切に行えるようにすることで改善します。
トラックから白煙が出る場合の原因と対処法も!
もちろん、トラックのマフラーから白煙が上がっている場合も正常な状態ではありません。
考えられる原因とその対処法について説明します。
原因①:オイル下がり
バルブステムシールの劣化や損傷によって、エンジンのシリンダーヘッドから燃焼室内にエンジンオイルが下がり燃焼することで白煙が発生します。
<対処法>
症状が軽めであれば「オイル下がり添加剤」を使用することで、エンジンオイルの粘度をあげて燃焼室にオイルが入り込まないようにし、オイル下がりを防ぐことができます。
バルブステムシールの劣化の場合には、シールを修復する添加剤があります。
ただし柔軟にはなりますが、傷や切れ目がすでにある場合は交換が必要です。
原因②:オイル上がり
エンジン内部のシリンダー・ピストン・ピストンリングなどが摩耗して、クランクケースからオイルが上がり、燃焼することで白煙が発生します。
<対処法>
症状が軽いものであれば「オイル上がり添加剤」を使用することによってある程度改善します。
使用するとオイルの粘度が上がって、隙間から漏れないようになります。
しかし、それでも改善しない場合は、シリンダーやピストンリング、ピストンなどが消耗していたり損傷していたりする可能性が高いです。
故障した箇所の交換が必要になるでしょう。
原因③:燃料に水が混入している
燃料タンク内で結露した水や燃料内の水分が燃焼されることで白煙が発生します。
<対処法>
燃料フィルターのドレンに水が溜まることによって発生しているため、フィルター内の水抜きをすることによって症状が改善します。
トラックの黒煙はエンジンの不完全燃焼が原因!早急に対処を
トラックの黒煙の正体はPM(粒状化物質)で、大気汚染に大きく関係します。
黒煙が発生する主な原因で、共通するのはディーゼルエンジンの不完全燃焼です。
主な原因と対処法は以下の3つ。
①エンジンの燃焼に必要な酸素不足
対処法:エアクリーナーの清掃や、交換を行うことで空気の吸入量を増やし、吸入酸素量不足による黒煙の発生を防ぎます。
②エンジンの劣化による燃焼の圧縮力不足
対処法:シリンダーやピストンリングの点検が必要。調整で改善できない場合はエンジンのオーバーホールが必要となります。
③燃焼の供給における不具合
対処法:燃料の噴射ポンプの点検や整備・交換を行い、燃料の供給状態を適切に行えるようにすることで改善します。
少しでもトラックの異常を感じたら、整備工場などでしっかり点検・適切な処置を受けることをおすすめします。
最終的にはオーバーホールを行うのが確実ですが、時間もコストもかかるので、その場合には買い替えも検討してみてはいかがでしょうか。
トラック購入・部品購入のご相談ならシマ商会にぜひお任せくださいね!