2020.05.29
トラックブレーキの種類は?特徴や仕組み、安全のための注意点も!
こんにちは!シマ商会です!
トラックに関わらず、車を運転する際は必ず使用するブレーキ。
一般的な車と違い、トラックには特殊なブレーキがついています。
止まることと曲がることは、トラック運転の大きなポイント。
どちらの動作にも、ブレーキは欠かすことができません。
安全に止まったり曲がったりするのに不可欠なブレーキの種類を知り、特徴や仕組みを理解することで、高い安全性が保てます。
今回はトラックのブレーキの種類やその特徴、仕組みから注意点までを詳しくお伝えしますね!
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目次
トラックのブレーキの種類や特徴は?
まず、トラックのブレーキシステムは大きく分けて「ディスクブレーキ」と「ドラムブレーキ」の2種類。
「ディスクブレーキ」は制動力の安定感と放熱性に優れており、「ドラムブレーキ」は放熱性が悪いですが低コストという面があります。
そのため、前輪にはディスクブレーキで後輪にドラムブレーキという組合わせにしたり、強く安定した制動力が求められるトラックにはすべてディスクブレーキとされることが多いです。
タイヤに直接制動力を発生させるブレーキとしてはディスクブレーキやドラムブレーキが採用されますが、ブレーキペダルを踏み込んだ力をブレーキに伝える手段には、さらに種類がありトラックによって向き不向きがあります。
トラックのブレーキの手段として、主に以下の3種類あります。
- 油圧式ブレーキ
- エアブレーキ
- 補助ブレーキ(リターダー)
では、それぞれのブレーキの特徴を詳しく解説しましょう。
油圧式ブレーキ
油圧ブレーキは、一般車にも搭載されているブレーキです。
ブレーキペダルを踏み力を加えると、その力はマスターシリンダー内で油圧に置き換えられます。
油圧による制動力が真空状態を作り出し、その力でディスクキャリパーやブレーキドラムが作動し、ディスクブレーキやドラムブレーキによって止まる仕組みです。
制動力が小さいため、トラックの中では小型トラックに使用されています。
エアブレーキ
エアブレーキは、ブレーキペダルとブレーキ部分でできているブレーキシステム内部に、圧縮空気を溜め、高圧の空気圧を利用してブレーキディスクをホイールに押さえつけてブレーキをかける仕組みです。
油圧式ブレーキよりも制動力がとても強く、踏み込むと急ブレーキのようになってしまいます。
そのため、エアブレーキの場合は強く踏み込むことはせず、足の裏全体を使ってじんわり踏むようにしましょう。
強い制動力をもつエアブレーキは、中型や大型のトラックに搭載されています。
補助ブレーキ(リターダー)
補助ブレーキ(リターダー)は、減速を目的とした機能です。
大型トラックに搭載されており、エアブレーキの制動力をアシストする補助としての役割があります。
細かく以下の3つに分かれています。
①排気ブレーキ
排気ブレーキは、強いエンジンブレーキ効果が得られないディーゼルエンジンに、補足としてエンジンブレーキ効果を持たせるために付加されたブレーキです。
スイッチを入れておけば、アクセルから足を浮かせると、自動的にブレーキが起動します。起動中は、排気バルブが閉まりエンジンシリンダー内に排気抵抗が生じるため、その抵抗を利用しエンジンの回転を制御する仕組みになっています。
②エンジンリターダー
エンジンリターダーは、エンジンブレーキの一つです。
排気ブレーキとは対になって存在しています。
排気ブレーキ同様、スイッチを入れておけば自動的に作動します。
排気ブレーキはエンジンシリンダー内に排気を溜めて、その圧力を利用してエンジン回転を制御していましたが、一定の排気圧力を超えると逆にエンジン回転を補助するようになってしまいます。
それを防ぐために、上り過ぎたエンジンシリンダー内の排気圧を下げ、適切な空気圧に調整する役割を担っているのが、エンジンリターダーです。
排気ブレーキとエンジンリターダーがペアで作動することにより、トラックの補助ブレーキとしての効果を発揮します。
③リターダー
先にもお話した通り、リターダーは大型トラックの減速専用装置です。
トラックの駆動を行うプロペラシャフトの回転に、永久磁石式や電磁石式、作動油などを利用して抵抗を発生させる仕組みになっています。
トラックのエアブレーキで注意しておくべき点とは?
高い制動力から、中型以上のトラックに搭載されているエアブレーキ。
上記でお話したように、油圧式ブレーキと異なり、ブレーキのかけ方に特徴があります。
同時に注意点もありますのでお伝えしますね。
最も注意すべき点は「ブレーキのバタ踏み(ポンピングブレーキ)をしないこと」。
エアブレーキは空気圧で制動力をコントロールしているので、ブレーキを強く踏んだり、何度も踏むバタ踏みをすると、コンプレッサーで圧縮した空気がなくなり最悪ブレーキの利かない状態になってしまいます。
ブレーキはかかとを床につけて軸にし、足の裏全体を使ってゆっくり風船を踏むようにするのがコツです。
制動力がとても強いので常に総重量を意識し、足首で調整するイメージで踏み加減を調節しましょう。
荷物が普段より少なくなった場合、軽いと踏み過ぎてしまう場合があるので、十分注意が必要です。
日本では「空気油圧複合式ブレーキ(エアオーバーハイドリックブレーキ)」が多いですが、大型トラックでは、全ての制動を空気圧で調整する「フルエアブレーキ」への転換を進めています。
エアブレーキ搭載の大型トラックを運転する機会も増えるでしょう。
フルエアブレーキでは全てを空気圧で制御するため、穴が空いたりの故障があってはなりません。
そのため、万が一に備えて前軸側と後軸側の2系統に分けてブレーキを設置することが義務化されています。
トラック乗車の際は、ブレーキ原理を十分理解した上で運転できると安心ですね。
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トラックのブレーキの種類や仕組み、注意点を知って安全走行を!
トラック乗車時に最も重要なブレーキ機能。
普通車と違い、トラックには特殊なブレーキが搭載されています。
大きく分けると「ディスクブレーキ」と「ドラムブレーキ」の2種類。
さらに、ブレーキの手段として以下の3種類があります。
- 油圧式ブレーキ
- エアブレーキ
- 補助ブレーキ(リターダー)
普通車にも使用されている油圧式ブレーキは、小型トラックには使用されています。
中型以上のトラックにはエアブレーキが使用されており、大型車には補助ブレーキがプラスで装備されています。
エアブレーキは油圧式と異なり、「ブレーキのバタ踏み(ポンピングブレーキ)」をすると、ブレーキ制御に使用される圧縮空気がなくなり、ブレーキが利かなくなってしまうので踏み過ぎには十分注意しましょう。
補助ブレーキは、減速を手助けする役割。
その仕組みの違いにより排気ブレーキ、エンジンリターダー、リターダーと細かく3つの種類に分かれています。
このうち「排気ブレーキ」と「エンジンリターダー」は、1対で1つの補助ブレーキ機能を果たすよう作られています。
双方の力を上手く作用させて、エアブレーキと共に大型トラックが安全に走行できるよう機能しています。
ブレーキの仕組みや特徴を理解し、正しい使用方法や注意点を守って運転することで、安全な走行、業務ができます。
正しい知識をつけて、日々安全運転を心がけたいですね!