2023.02.20
トラックのEGRとは?メリット・デメリットも解説!
こんにちは!グットラックshimaです!
みなさん、EGRという言葉を聞いたことがありますか?
日本語で「排気再循環」を意味するEGRは、トラックのエンジンに搭載して排気ガスを再循環させる装置です。
EGRにはどういった役割があり、なぜトラックに採用する必要があるのでしょうか。
そこで今回はEGRについて、その役割や仕組みを解説するとともに、メリット・デメリットもご紹介します。
トラックにEGRを搭載するか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね!
中古EGR一覧
目次
トラックのEGRとは?
トラックに用いられる「EGR」は、Exhaust Gas Recirculationの頭文字を取った言葉です。
排気再循環を意味し、排気ガスを再び吸気と共にシリンダーに取り入れる技術のことを指します。
EGRには2つの大きな役割があります。
EGRの役割や採用の目的とともに、作動する仕組みについてもご紹介していきましょう。
EGRの役割とは
EGRが持つ2つの役割について解説します。
燃焼温度の低下により冷却負担を軽減
吸気に酸素が多く含まれている場合、エンジンの燃焼温度は上がります。
しかし、排気ガスには基本的に酸素は含まれていません。
排気ガスを吸気に取り入れて酸素濃度を低下させることで、燃焼温度が高くなることを防ぎ、冷却にかかる負担も軽減されます。
NOx(窒素酸化物)の削減
EGRは、排気ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)を減らすことにも貢献しています。
NOxとは、酸素と窒素が結びついてできるNO(酸化窒素)やNO2(二酸化窒素)のことです。
トラックにEGR技術を搭載することによって、環境に配慮したエコなドライブが実現します。
NOxは人の呼吸器などに悪影響を与えるほか、光化学スモッグや酸性雨の原因にもなる環境に非常に悪影響を及ぼす物質として知られています。
このNOxは、エンジン内の燃焼温度が高くなることで、酸素と窒素が結びついた際に発生します。
EGRによって燃焼温度を低下させることにより、NOxの発生を低下させる効果が期待できるのです。
EGRをトラックに採用する目的とは?
EGRをトラックに採用する目的として最も大きいのは、環境問題への貢献でしょう。
実はガソリンエンジンとディーゼルエンジンではEGRの役割に少し違いがあります。
ガソリンエンジンには、三元触媒という有害物質を取り除く装置が設置できます。
三元触媒が取り除くのはCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOxの3つの有害物質です。
そのため、ガソリンエンジンにおけるEGRは、NOxの発生を削減させるためよりも、燃焼温度の低下による燃費の効率化を目的として設置されている場合が多くみられます。
一方、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンのように三元触媒は使用できないため、EGRは主にNOxの発生を削減するために役立っているといえます。
事業に使用されるトラックのほとんどは、ディーゼルエンジンを使用しています。
つまり、EGRをトラックに採用する最も大きな目的は、NOx排出量の削減、環境問題への貢献にあるのです。
EGRが作動する仕組みもご紹介
EGRには、内部EGRと外部EGRの2つの種類があります。
内部EGRは、排気バルブの作動を遅らせることで、燃焼室周辺に残った排ガスを再び燃焼室へ逆流させる仕組み。
外部EGRは、排気口からパイプを吸気口まで伸ばすことによって排ガスを取り入れさせる仕組みです。
外部EGRは排気系からパイプなどを設置し、時にクーラーなどをパイプに設置する必要があります。
外部EGRは、内部EGRよりも排ガスの量や温度を調整しやすい仕組みであるため、ディーゼルエンジンが多いトラックには、外部EGRが多く利用される傾向にあります。
トラックのEGRのメリット・デメリットは?
トラックにEGRを搭載することには、メリットとともにデメリットもあります。
どちらも踏まえた上で、検討してみてくださいね。
トラックにEGRを搭載するメリット
EGRのメリットとしてやはり大きいのは、環境問題に貢献できるということでしょう。
EGRを搭載することにより、大気汚染の原因となるNOx削減が期待できます。
また、エンジンの燃焼温度を低く保つことにより、燃費の効率化がはかれることも大きなメリットです。
燃焼温度が高くなると、さまざまな損失が生まれます。
上がりすぎた燃焼温度を落とすためには、燃料を多く使用する必要があり、冷却のためにもエネルギーを要します。
そのため、燃焼温度が低く保てるEGRは、燃費を向上させるために有効なのです。
トラックにEGRを搭載するデメリット
ディーゼルエンジンでEGRを使用すると、煤(すす)が多く発生するデメリットがあります。
これは、ディーゼルエンジンで用いられる軽油が、燃焼温度が低いほど煤(すす)が発生するためです。
煤(すす)が発生し続けると、かたまりになって機械内部で詰まってしまう可能性もあり、危険をともないます。
煤(すす)の詰まりを防ぐため、定期的にメンテナンスや洗浄の手間もかかります。
また、EGRは使用する部品によってはコストがかかることもデメリットです。
とくに外部EGRの、水冷式クーラーを配置するタイプのEGRは、部品コストが高い傾向にあります。
中古EGR一覧
トラックのEGRは燃費の効率化や環境に配慮できる技術
EGRは排気再循環を意味し、エンジンから出る排気ガスを再循環させて吸気させることで、燃焼温度を低くすることが期待できる装置です。
燃焼温度が低くなることで、環境に悪影響を及ぼすNOxの排出をおさえ、燃費の効率化もはかれます。
煤(すす)が出ることや、部品コストがかかるなどのデメリットもありますが、環境に優しく燃費も良くなるため、EGR設置はおすすめできるといえます。
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