2022.07.20

トラックのフェード現象とは?ベーパーロック現象との違いも解説

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こんにちは!グットラックshimaです!

 

トラックの運転中、下り坂で急にブレーキが効かなくなるということはありませんか?

このようなブレーキが効きにくい状態を「フェード現象」と呼んでいます。

 

ブレーキが効かなくなってしまうと、大きな事故に繋がってしまう可能性があり危険です。

 

今回はこのフェード現象についてを中心に、ベーパーロック現象との違いについても解説します。

フェード現象が起きてしまった時の対処法や予防方法も確認し、事故を防ぎましょう!

 

 

トラックのフェード現象とは?ベーパーロック現象との違いも

フェード現象とは、ブレーキの効きが悪くなる現象のこと。

 

下り坂で急にブレーキが効かなくなったり、最初はブレーキが効いていたけれど段々とブレーキが効かなくなるという現象が起こります。

 

フェード現象は、フットブレーキを連続的に使用することで、ブレーキパッドが過熱することが要因です。

フェード現象の仕組みについて説明する前に、ブレーキの種類も知っておく必要があります。

 

フェード現象に関わるブレーキとは

トラックのブレーキの手段には種類があり、エンジンペダルを踏むブレーキには主に油圧式ブレーキとエアブレーキがあります。

 

小型トラックでは制動力が控えめな油圧式ブレーキ、強い力が必要な中型・大型トラックでは空気圧を利用するエアブレーキが採用されていることが多いです。

 

さらに、トラックの場合は排気ブレーキやエンジンブレーキといった補助ブレーキがついています。

 

油圧式はブレーキフルード(ブレーキオイル)の油圧で制御する仕組みで、ペダルを踏んでかけるフッドブレーキと、ペダルから足を離してアクセルをゆるめた際に回転数を上げることで制動力が得られるエンジンブレーキを使用します。

 

フェード現象は、この油圧式の仕組みの場合で起こる現象です。

 

一方エアブレーキは、ブレーキペダルを踏む力を伝えるのがブレーキフルードではなく、パイプを満たした高圧の空気です。

エアブレーキでは、フットブレーキの使いすぎ以外にブレーキペダルのバタ踏みによって、エンジンが効きにくくなることがあります。

 

トラックのフェード現象が起こる仕組み

油圧式ブレーキでは、ブレーキフルードによってブレーキの力が伝わり、ブレーキパッドによって摩擦を発生させ、車を減速することができます。

 

本来トラックの走行(MT車)であれば、下り坂では2速・3速ギアに切り替え、速度の調整やエンジンブレーキを使用します。

しかし、ギアを切り替えずにフットブレーキを多用してしまうと、ブレーキパッドの許容範囲を超える熱が発生してしまいます。

 

ブレーキパッドは摩擦材の材料であるゴムや樹脂が耐熱温度を超えると、分解・ガス化します。

 

ガス化した摩擦材がブレーキパッドとブレーキローターの間に入り込み、入り込んだガス膜が潤滑材となることで、ブレーキの摩擦力を低下させてしまうのです。

 

結果としてブレーキをいくら踏んでも、ブレーキローターに摩擦がかからず、車を止めることができない状態になってしまいます。

 

続いて、フェード現象と似ているベーパーロック現象とは何が違うのか見ていきましょう。

 

ベーパーロック現象とは?フェード現象との違い

べーパーロック現象とは、ブレーキペダルを踏んでもフワフワと感じ、ブレーキが効かない状態のこと。

 

フェード現象と、ブレーキが効かなくなる現象は似ていますが、問題が起こる部品が異なります。

 

ベーパーロック現象は、フットブレーキを使いすぎることで摩擦熱がブレーキフルード(ブレーキオイル)に伝わり沸騰し、気泡が発生することが要因です。

 

気泡が発生することで、ブレーキペダルによって発生した油圧がブレーキフルードに伝わらなくなり、ブレーキが効かなくなります。

 

フェード現象は、ブレーキパッドが過熱され、摩擦力が低下することが要因。

ベーパーロック現象は、ブレーキフルードに気泡が発生し油力が伝わらないことが要因となります。

 

ブレーキ部品一覧

 

 

トラックのフェード現象が起きたら?対処法をチェック

実際にフェード現象が起きてブレーキが効かない時は、まずは慌てないことが大切です。

焦ってブレーキを踏んでしまうと、さらに状態が悪化してしまうので注意しましょう。

 

フェード現象が起こってしまった際は、次のような対処法を行いましょう。

 

エンジンブレーキを使う

エンジンブレーキを使うことで、フェード現象を防ぐことができます。

 

エンジンブレーキは前半にも少しお話ししましたが、エンジンの回転を利用した減速方法です。

走行時にアクセルペダルから足を離すと、タイヤの回転力でエンジンを動かしている状態になり、ブレーキを踏まなくても、やがて減速する仕組みになっています。

 

フットブレーキを使用しないので、摩擦材が過熱することがなく、摩擦材の摩擦を防ぎながら制動力を生み出すことができます。

 

特に長い下り坂ではフェード現象やベーパーロック現象が発生しやすいので、エンジンブレーキを使い、ブレーキの負担を軽減することが大切です。

 

トラックはMT車であることが多いので、その場合は長い下り坂に入る前などに坂道の傾斜に合わせて、2速や3速など低速ギアにチェンジしてスピードを調整しましょう。

 

ブレーキを冷やす

フェード現象はブレーキが過熱されている状態なので、ブレーキを冷やしましょう。

 

ブレーキを冷やすには、ゆっくり走りながら風を当てると良いです。

ブレーキに直接水をかけて冷やしてしまうと、ブレーキローターが割れてしまう可能性があるのでNGです。

 

ゆっくり走行するのが難しい場合、脇道や路肩など安全な場所を見つけて、車を停車させてブレーキを休ませると良いですよ。

 

また、高速道路など停車が難しい時は、手でレバーを引いて制動するハンドブレーキを使い、徐々に車を減速させましょう。

 

停車できそうなサービスエリアやパーキングがあれば、30分ほど休ませるとブレーキが元の温度に戻りやすいです。

 

 

トラックのフェード現象を予防する方法も知っておこう

そもそもフェード現象を起こさないようにするには、どんなことをしておくと良いのでしょうか。

フェード現象を予防する方法をいくつかご紹介します。

 

フットブレーキを多用せず、ブレーキの使い方に気をつける

フェード現象を避けるには、原因となるフットブレーキの多用をやめましょう。

 

エンジンブレーキも活用し、道路状況を見てギアチェンジをしスピードを調整しましょう。

ギアでスピードを調整した状態でアクセルを踏まなければ、エンジンに燃料は送られずエンジンが元の回転数に戻ろうとするため、自然に制動力がかかる状態となります。

 

フットブレーキを踏む際は、強く短く踏むとフェード現象を防ぐことができます。

ブレーキを緩く長く踏み続けてしまうと、必要以上にブレーキが発熱してしまいフェード現象が起こりやすくなるので注意しましょう。

 

長い下り道ではブレーキを踏みたくなりますが、そもそものスピードを出さないようギアチェンジをしエンジンブレーキを活用しましょう。

下り道でスピードがでないよう、乗車人数や荷物の量などに注意を配り、車重を重くし過ぎないことも大切ですよ。

 

定期的にブレーキに異常がないか確認する

トラックを運転する際は、フットブレーキに問題がないか走行前に試しましょう。

 

ブレーキフルード(ブレーキオイル)・ブレーキパッドの部品に異常がないか、定期的に確認することも重要です。

 

特にブレーキパッドは、摩擦を発生する消耗品のため適切なタイミングで交換が必要です。

ブレーキパッドの減り具合は、ブレーキフルードの残量を確認して判断できます。

ブレーキパッドとブレーキフルードは同時に交換すると良いでしょう。

 

もしブレーキを踏んだ時に高音が鳴った場合は、ブレーキパッドの交換が必要なくらい擦り減っている状態なので、早めに交換しましょう。

 

ブレーキフルードは劣化していくと茶色に変化していきます。

劣化が進むとベーパーロック現象の原因にもなるので、ブレーキフルードは2〜3年に1回交換すると良いでしょう。

 

トラックのブレーキパッドの寿命や交換の目安の詳細については「トラックのブレーキパッドの寿命は?交換の目安をチェック!」をご覧ください!

 

 

トラックのフェード現象はブレーキペダルの多用が原因の一つ

フェード現象は、ブレーキの効きが悪くなる現象のことを指します。

 

下り坂で急にブレーキが効かなくなったり、最初はブレーキが効いていたけれど段々とブレーキが効かなくなるという場合、フェード現象が起こっていると言えます。

 

フェード現象は、油圧式ブレーキの場合にフットブレーキの多用によってブレーキパッドが過熱され、制動力が低下してしまうことが原因です。

 

一方ベーパーロック現象は、ブレーキペダルを踏んでもフワフワと感じてブレーキが効かない現象のこと。

フェード現象と同じくフットブレーキを使いすぎることが原因ですが、摩擦熱でブレーキフルードが沸騰し、気泡が発生することが原因です。

 

もしフェード現象でブレーキが効かない状況になってしまったら、エンジンブレーキを使用し、ゆっくり走行してブレーキに風を当てて冷やしましょう。

ギアチェンジでスピードを調整し、ブレーキに負担をかけないようにすることが大切です。

 

フェード現象を予防するには、フットブレーキを多用しないことを意識しましょう。

定期的にブレーキに異常がないか確認することも大切ですよ。

 

トラックの購入や今の車両の買取、各種手続きのご相談まで、ぜひグットラックshimaへお気軽にお問い合わせください!

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