2021.06.05
アトラスの歴史や年式を詳しく!モデルごとの特徴や変遷を解説
こんにちは!グットラックshimaです!
UDトラックスの小型トラック「アトラス」。
いすゞ自動車「エルフ」のOEMである「アトラス」は、さまざまなシーンでの使用に適しているうえ、燃料の動力性能や安全性の高さから人気のトラックです。
1982年に発売された1.5tクラスのアトラスは4代目が現行モデル、1981年に発売された2〜4tクラスのアトラスは6代目が現行モデルです。
今回は、アトラスの年式について。
年式やモデルごとの変遷や、それぞれの外装・内装・装備の特徴などを詳しくご紹介します。
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目次
「アトラス」の特徴や大まかな歴史から知っていこう!
アトラスを販売するUDトラックスの前身となる「日本ディーゼル工業」は、1935年12月にディーゼルエンジンのトラックを製造する企業として創立されました。
長い歴史の中で日産自動車傘下に入り「日産ディーゼル工業株式会社」へ。
その後2007年の資本提携先はスウェーデンのボルボグループへと変遷しています。
2010年2月1日には「日産ディーゼル工業」が「UDトラックス株式会社」に社名変更しました。
世界中にファンの多いUDトラックスの小型トラック「アトラス」は、いすゞ自動車「エルフ」のOEMです。
小型トラック「エルフ100」に改良を加え、外観のデザイン性や上質感、ガソリンの動力性能や安全性を向上させています。
インジェクター「i-ART(自律噴射精度補償技術)」や、パワフルで低燃費の最先端ディーゼル4JZ1エンジンを採用し、卓越した燃費性能を誇るアトラス。
平成28年排出ガス規制へも対応しており、1.5トンクラスの小型トラックの中でも燃費が良く、低燃費な面も魅力です。
さらに安全性も強化され、ドアビームや衝撃吸収ステアリングの全車標準装備、運転席SRSエアバッグシステムやABSのオプション設定など先進安全装備を搭載しています。
「アトラス」の年式はモデルによって異なる!それぞれの特徴をご紹介
アトラスの年式は、1.5tクラスが初代〜4代目現行モデル、2〜4tクラスが初代〜6代目現行モデルとなっており、クラスによって変遷が変わります。
1.5tクラスの年式の変遷
初代モデル
1982年に登場した1.5tの初代アトラス(F22型系 1982年〜1992年)のエンジンは、ガソリンエンジンがZ20型・Z16型、ディーゼルエンジンがSD25型・SD23型を採用。
フロントウインドシールドとドアガラスは、日産の2代目「キャラバン」と3代目「ホーミー」と同タイプでした。
1986年にはフロントグリルの造形を変更するマイナーチェンジを行い、ディーゼルエンジンをTD23型、TD27型に変更。
1990年にはガソリンエンジンをNA16型、NA20に変更しました。
2代目モデル
2代目アトラス(F23型系 1992年〜2007年)は、1992年に登場。
エンジンはディーゼルエンジンがTD23型とTD27型、ガソリンエンジンがNA16S型とNA20型を搭載し、計4種をラインナップしました。
1995年のマイナーチェンジでは、ディーゼルエンジンのTD23型をTD25型に変更。
同年、いすゞ自動車に「エルフ100」としてOEM供給をスタートしました。
1999年にはフロントグリルやバンパーの形状といった内外装の変更に加え、搭載ガソリンエンジンをDOHC KA20DE型に変更し、直列4気筒OHVディーゼルのTD27型とQD32型と合わせて3機種となりました。
2004年には全車に運転席SRSエアバッグシステムが標準装備するなど、一部改良を行いました。
3代目モデル
2007年に登場したのが、3代目アトラス(F24型系 2007年〜2021年)。
3代目より、1.75〜2t積みも追加されました。
エンジンは新長期規制対応ディーゼルエンジンのZD30DDTi型と、ガソリンエンジンのQR20DE型を搭載。
トランスミッションは5速AT、5速MT、6速MT、6速AMT(機械式AT)が設定され、これは最大積載量やエンジンの種類によって設定が異なります。
3代目モデルでは、OEM供給の動きも盛んになります。
2007年には、OEM車のいすゞ「エルフ100」のガソリンエンジン車と日産ディーゼル「コンドル」の1〜2t車がフルモデルチェンジ。
2009年には中国で鄭州日産汽車が「NT400キャブスター」として発売を開始し、2013年には三菱ふそうトラック・バスへ「キャンターガッツ」としてOEM供給を開始。
これらの車種はアトラスの姉妹車になります。
2013年にパーキングアシストシステム「アラウンドビューモニター」をトラック用に進化させた「マルチビューモニターシステム」を、世界で初めて搭載。
荷台の上面4カ所にカメラを配置することで、車両周囲の様子を運転室内上部のハイマウントモニターで確認できるという画期的なシステムで、左折時の巻き込み事故防止など、安全面のサポート機能が向上しました。
2019年には4代目アトラスの発売に伴い、3代目アトラスはガソリン車のみとなったことで「アトラスガソリン」へと改名。
これを機に三菱ふそうへのOEM供給が終了し、2020年12月には販売を終了しています。
4代目現行モデル
4代目アトラス(F25型系 2019年〜)は、2019年にフルモデルチェンジを行なった現行モデルで、「アトラス ディーゼル」として発売されました。
約6年ぶりにいすゞによるOEM供給が再開された現行モデルは、いすゞの6代目エルフの1.5t積モデルの供給を受けるモデル。
エンジンは最先端ディーゼル4JZ1-TCS型採用。
インジェクター「i-ART(自律噴射精度補償技術)」や尿素SCRで構成された排出ガス後処理装置の採用と合わせ、世界的に非常に厳しいといわれている平成28年排出ガス規制(ポスト・ポスト新長期規制)に全車適応し、さらに燃費性能も向上されたことで「平成27年度燃費基準+10%」を達成しました。
トランスミッションは、2速発進の採用で発進時の荷崩れを低減する先進の「シーケンシャルマニュアルトランスミッション」を搭載。
さらに、衝突の危険性が高まると警報と緊急ブレーキで衝突を回避する「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」や、追突事故防止をサポートする「車間距離警報」、発進時のアクセルとブレーキの踏み間違えを防止する「踏み間違い衝突防止アシスト」など、安全性も強化された車両です。
<代表車種「アトラスシングルキャブ(2WD)」のスペック>
- アトラスシングルキャブ2RG-AHR88A(2WD・標準ボディ・フルスーパーロー・6速AMT)
- 車両寸法:全長4,685mm 全幅1,695mm 全高1,965mm
- 荷台寸法:長さ3,120mm 幅1,620mm 高さ380mm
- 最大積載量:1.55t
- 車両総重量:3.915t
2〜4tクラスの年式の変遷
初代モデル
1981年に登場した2〜4tクラスの初代アトラス(H40型系 1981年〜1992年)。
日産「キャブオール」と「クリッパー」の後継車種として発売されました。
幾度ものマイナーチェンジを行い、1986年にはフロントグリルの造形を変更。
1988年にはフロントグリルのカラーを車体色に変更し、さらに1990年にはガソリンエンジンをNA20型に。
ED35型エンジン車も追加しました。
その際には全車パワーステアリング・サイレントパックを標準装備やワイドキャブ車に電動格納ミラーを助手席側に追加するなど、オプション設定等の改良も行いました。
2代目モデル
1991年に登場した2代目アトラス(H41型系 1991年〜1995年)のキャッチコピーは「この国を運びたい」。
エンジンはFD46、FD42、BD30のディーゼルエンジン3機種を搭載しました。
1993年のマイナーチェンジでは、標準キャビンハイルーフ仕様とセミロングホイールベース車を追加し、ウレタン製ハンドルを全車標準装備化しました。
さらに、新たに過流室式ディーゼルエンジンのED35型を追加しています。
3代目モデル
1995年にいすゞ「エルフ」のOEM供給を受けて登場したのが、3代目アトラス(H42型系 1995年〜2007年)。
3代目では幾度ものマイナーチェンジを行いました。
1999年にはフロントグリルのメッキ化とシート生地の変更、平成10年排出ガス規制適合し、さらにターボエンジンの排気量をアップ。
2002年にはCI変更などフロントグリル意匠を変更したほか、一部のエンジンで平成15年排出ガス規制に対応しました。
また、灯火器具類の保安基準変更に対応するため、2004年にフロントまわりのデザインを大幅に変更。
その際、2t系車種にはクラッチペダルのないMTを標準装備しました。
2005年にはCNG車をマイナーチェンジし、4.6Lエンジンを搭載しています。
4代目モデル
新長期規制に対応した4代目アトラス(H43型系 2007年〜2012年)が、2007年に登場しました。
これは3代目アトラスに続き、いすゞ「エルフ」のOEM供給を受けて発売したモデルです。
2011年にディーゼルエンジン車はダウンサイジングを図り、5.2Lエンジンを廃止して4JJ1型 3.0Lエンジンに統一。
これにより、ほぼすべてのタイプが「平成27年度燃費基準」を達成し、さらに平成22年基準排出ガス規制も適合。
環境性能が向上し、高い絵燃費性能を実現しました。
また、フロントアンダープロテクターや大型後部反射器を採用し、安全規制の強化にも対応しました。
5代目モデル
2012年に5代目アトラス(H44型系 2012年〜2021年)を、車種名を「NT450アトラス」と変更して発売。
5代目のベース車両は三菱ふそうトラック・バス製の8代目「キャンター」に変更しました。
2020年にOEM元である「キャンター」がマイナーチェンジしたため、2021年1月に販売終了しました。
6代目現行モデル
6代目アトラス(F25型系 2021年〜)は2021年4月にフルモデルチェンジを行なった現行モデル。
2019年に発売した1.5tクラスの4代目アトラスが車種名を「アトラス ディーゼル」に変更したことから、「アトラス2tクラス」としてフルモデルチェンジを行いました。
最先端ディーゼルエンジン4JZ1-TCS型を搭載し、さらにインジェクター「i-ART(自律噴射精度補償技術)」や尿素SCRで構成された排出ガス後処理装置を採用。
これらにより、世界的に難しい平成28年排出ガス規制(ポスト・ポスト新長期規制)に全車適応し、さらに燃費性能も向上されたことで「平成27年度燃費基準+10%」を達成しました。
2021年11月の各種安全装置の装着義務化に向けて、小型トラック事故抑制につながる「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」、「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)」、「車線逸脱警報」を全車に標準採用。
また、一部の現行モデルでは、交差点右左折時における事故抑制に向け、交差点警報を採用し、先進安全装備の拡充を図るなど、ドライバーが安心して運転できる安全装備が充実しています。
<代表車種「アトラス2tクラス 平ボディ 標準キャブ(2WD)」のスペック>
アトラス2tクラス 平ボディ(2WD・標準キャブ・標準ボディ)
- 車両寸法:全長4,685mm 全幅1,695mm 全高1,965mm
- 荷台寸法:長さ3,120mm 幅1,620mm 高さ380mm
- 最大積載量:2t
- 車両総重量:4.405t
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年式が異なるアトラスを比べて、最適な一台を
UDトラックスの小型トラック「アトラス」。
いすゞ自動車「エルフ」のOEMである「アトラス」は、さまざまなシーンでの使用に適しているうえ、燃料の動力性能や安全性の高さから人気のトラックです。
インジェクター「i-ART(自律噴射精度補償技術)」や、パワフルで低燃費の最先端ディーゼル4JZ1エンジンを採用し、卓越した燃費性能を誇るアトラス。
平成28年排出ガス規制への対応と燃費の両立し、1.5トンクラスの小型トラックではトップレベルの低燃費を実現しています。
1982年に発売された1,5tクラスのアトラスは4代目が現行モデル、1981年に発売された2〜4tクラスのアトラスは6代目が現行モデルです。
幾度もフルモデルチェンジを行い、機能性の向上はもちろん、環境、安全に配慮した充実の機能を搭載してきました。
アトラスは年式によって特徴が異なるので、中古トラックを購入する際は年式もしっかり確認しましょう!
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