2022.11.22
タンクローリーの特徴や種類は?必要な資格もチェック!
こんにちは!グットラックshimaです!
大型車両の1つである、タンクローリー。
タンクローリーのタンクには、セメントやガソリンなどの液体物や気体物を入れられるため、通常のトラックでは運搬しにくいものを運ぶのに適している大型車両です。
タンクローリーには、大きく分けて3つの種類があります。
今回はタンクローリーの構造や種類について解説するとともに、必要な資格などもご紹介しますね!
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目次
タンクローリーの構造や特徴
タンクローリーの「ローリー」は、イギリス英語でトラックという意味です(トラックはアメリカ英語)。
タンクローリーは大型車に分類される貨物自動車で、円筒状のタンクが搭載されていることが特徴です。
タンクには、セメントやガソリンなどの液体物や高圧ガスなどの気体物を入れることができ、タンクの形状には楕円形のものと真円形のものがあります。
積載物が液体の場合は、重心を低くしバランスを取りやすくするため楕円形のタンクが用いられます。
一方、積載物が気体の場合は内部気圧を一定に保つため真円形です。
では、タンクローリーの外部構造と内部構造についても詳しく解説します!
外部構造
一般的に、タンクの上部にはマンホールが設置されており、積載物を注入するための「注入口」が付いています。
危険物を運ぶタンクローリーの場合は、マンホール付近に防護枠を設置することが消防法で義務づけられています。
マンホールから危険物が漏れ出た時に下へ流れ落ちないようにするためです。
底の部分には積載物を排出するためのバルブが設置されており、上部に設置されたハンドルで開閉できます。
他にも、タンクの外部には内圧を調整するための「空気安全弁」(積載物が液体の場合)や積載物の量を量る「検尺(けんじゃく)」などが設置されています。
内部構造
全室に同じ液体を入れることも、一室ごとに別々の液体を入れることもできる構造になっています。
タンクの容量は消防法により、30t(30,000L)までと定められています。
タンク内部は溶接された仕切り板で一室ずつ区切られており、ガソリンなどの危険物を積載するタンクに関しては、一室あたりの容量が4,000L以下でなければいけません。
最近では取り出す液体を間違えないよう、タッチパネルで操作できるコンピューター制御式の車両も見られるようになりました。
室内の液体が大きく揺れるとタンクローリーが横転する危険性があるため、室内には防波板が取り付けられています。
タンクローリーの種類を詳しくチェック!
タンクローリーの種類は、主に「危険物タンクローリー」「非危険物タンクローリー」「高圧ガスタンクローリー」の3つです。
また、大型から小型まで、サイズによっても積載量や使用目的が変わります。
では、それぞれの違いをご紹介していきましょう。
危険物タンクローリー
危険物タンクローリーは、消防法で「危険物」と定められているものを運ぶタンクローリーです。
消防法による「危険物」とは、火災の発生や拡大の危険性が高いもの・消火が困難なもののことを指します。
ガソリンや灯油などの引火性液体、化学薬品などの酸化性液体などが該当します。
積載時や運搬時の安全を守るため、外部・内部共に構造について最も細かく基準が決められているタンクローリーです。
タンクの素材には、鉄鋼や、金属の中でも比較的軽量なアルミニウムが多く使われています。
運搬する化学薬品によっては、内側に腐食防止の樹脂加工が施されたものもあります。
非危険物タンクローリー
非危険物タンクローリーはその名の通り、危険物でないものを運ぶためのタンクローリーです。
砂やセメントなどの工業物や、小麦粉や飲料水などの飲食物を運搬する際に使われます。
粉状のものを運ぶ非危険物タンクローリーは「粉粒体運搬車ローリー」とも呼ばれます。
非危険物タンクローリーのタンクは、腐食に強いステンレス製が一般的です。
衛生管理やクリーンなイメージが大切な運搬物のタンクには、無塗装で鏡のようなピカピカの外観をしているものが多く見られます。
高圧ガスタンクローリー
高圧ガスタンクローリーは、LPガスや液化窒素などを運ぶためのタンクローリーです。
内部の気圧を一定にするため、断面が真円形のタンクを用いるのが一般的です。
高圧ガスの定義は高圧ガス保安法により定義付けられており、高圧ガスタンクローリーのタンク部分も、高圧ガス保安法に基づいて製作されます。
内部の圧力に変化が起きにくいよう設計されていますが、万一圧力が上がった際には安全弁が作動して圧力を低下させる構造になっています。
タンクローリーのサイズの種類
大型タンクローリー
タンクローリーの大きさの種類は、タンクの積載容量によって変わります。
大型タンクローリーのタンク容量は、一般的に12,000L〜20,000Lです。
車両には2.5mまでの車幅制限があるため、大型タンクローリーのタンクは細長い形状をしています。
大型タンクローリーの主な用途は、製油所からの石油類の運搬です。
製油所からガソリンスタンドまで、ガソリンを運ぶために利用されるケースが多く見られます。
中型タンクローリー
中型タンクローリーの車両は3t〜4tで、タンク容量は3,000L〜8,000Lほどのものが一般的です。
仕切られた1つの枠に、4,000Lまで入れることができます。
中型のタンクローリーは、重機への給油や重油や灯油・軽油の移送、工場から食料や飼料などを運ぶ際に適した大きさです。
小型タンクローリー
小型タンクローリーの車両は2t〜3tで、タンク容量が2,000L〜4,000Lほどですの大きさです。
小型なほど住宅街などの狭い道路でも通行しやすいため、小型タンクローリーは灯油や軽油を家庭へ運搬するのに適しています。
タンクローリーを運転するために必要な免許や資格は?
タンクローリーを運転するためには、どのような免許や資格が必要になるのでしょうか。
こちらで解説します。
運転免許証
まず必要なのは、運転免許証です。
普通自動車免許しか持っていない場合、自動車に積載可能な重量は2t未満と定められているため、ほとんどの場合タンクローリーの運転はできません。
最大積載量別の運転免許は下記の通りです。
免許の種類 | 最大積載量 |
普通 | 2t未満 |
準中型 | 2t~4.5t未満 |
中型 | 4.5t~6.5t未満 |
大型 | 6.5t以上 |
大型免許を取得すれば、大きさに関わらずさまざまなタンクローリーを運転できるでしょう。
しかし大型免許は通算3年以上、中型タンクローリーを運転できる中型免許は、普通免許を取得してから通算2年以上の運転免許証保有年数が必要です。
現在運転免許証未取得かつ、なるべく早くタンクローリーを運転したい場合は、免許経歴無しでも取得可能である準中型運転免許証を取得しましょう。
小型タンクローリーなら準中型運転免許証でも運転できるものも多くあります。
牽引免許(けん引免許)
牽引免許とは、自走しない750kg以上の車両を牽引する場合に必要な免許です。
長いトレーラー形式のタンクローリーを運転する場合は牽引免許がないと運転できません。
必ずしもタンクローリーの運転に必要な免許ではありませんが、幅広い種類に対応したい場合は取得がおすすめです。
危険物取扱者
危険物取扱者は、消防法によって定められた危険物を指定数量以上貯蔵したり、取り扱ったりする際に必要となる資格です。
ガソリンは200L、灯油や軽油は1,000L、重油は2,000Lが指定数量として定められています。
そのため、ガソリンなどを大量に運ぶタンクローリーを運転するためには、この危険物取扱者の資格が必要になります。
危険物取扱者には甲種・乙種・兵種とあり、ガソリン・灯油・軽油・重油などの石油を取り扱う場合は、乙種の第4類を取得しなければいけません。
取得のためには試験を受け、合格する必要があります。
毒物劇物取扱者
毒物及び劇物取締法(毒劇法)により、毒劇物に指定されているものをタンクローリーで運搬する場合は、毒物劇物取扱者の資格が必要です。
ただし、毒物劇物を取り扱う企業のうち1人でも取得していれば問題ない資格のため、必ずしもタンクローリーのドライバーが取得する必要はありません。
取得のためには試験を受け、合格する必要があります。
高圧ガス移動監視者
高圧ガス移動監視者の資格は、高圧ガスを運搬する際に必要な資格です。
2日間に渡り、合計14時間程度の講習を受けたのち、検定に合格することで取得できます。
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タンクローリーの種類を把握して適切な資格を取ろう
タンクローリーには「危険物タンクローリー」「非危険物タンクローリー」「高圧ガスタンクローリー」の3種類があり、大きさも小型から大型までさまざまです。
タンクローリーの大きさや、なにをタンクに入れて運搬するかによって、必要な免許や資格が変わります。
タンクローリーを運転する場合はタンクローリーの種類を把握し、適切な資格を取得しましょう。
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