2022.03.14
トラックのリターダーとは?操作方法や故障の対処法も知っておこう!
こんにちは!グットラックshimaです!
リターダーとは、トラックのような大型車に搭載されている補助ブレーキのひとつ。
山道などの長い下り坂を走行する場合などに、リターダーのような補助ブレーキを使用することにより、安全に減速することができ、燃費の良い走りをすることができます。
今回はトラックのリターダーについて、どんな役割があるのか、動く仕組みや操作方法、故障した場合の対処法などを詳しくご紹介します!
目次
トラックのリターダーとは?役割や他のブレーキとの違い
現在、排出ガス規制強化で注目が集まっているリターダー。
リターダーとは、トラックなどの大型車のスピードを減速させる働きがある、補助ブレーキのこと。
フットブレーキを思い切り踏まなくても良くなるため、運転手の疲労を軽減してくれる優れものです。
下り坂で速度を抑える際や、高速走行から減速する際などに役立つほか、積極的に使用することで主ブレーキの使用頻度が抑えられ、ブレーキパッドの摩耗・フェード現象やベーパーロック現象の抑制などにも効果があります。
リターダーの仕組みや他の補助ブレーキとの違いを詳しく説明していきましょう。
リターダーの仕組みとは?構造は3種類!
トラックのリターダーは、エンジンの動力を伝達するプロペラシャフトの回転に負荷を与えて、回転を遅らせることで車体を減速させる仕組みになっています。
リターダーの構造には3通りの方式があり、それぞれに異なる特徴があります。
①流体式リターダー
シャーシに固定されているステーター・プロペラシャフトと共に回転するローターとの間をエンジンオイルやATF、水などで満たし、ローターの回転で撹拌することで、抵抗が生じてブレーキ力が生まれる仕組みです。
世界で最も普及している方式といえます。
②電磁式リターダー
液体の代わりに電磁誘導を利用したリターダーで、プロペラシャフトと一緒に回るローターに渦電流というものを発生させ、磁力による反発力を起こさせる仕組みです。
これがブレーキ力となって働きます。
③永久磁石式リターダー
電磁式リターダーの電磁石を永久磁石に置き換えた仕組みです。
軽くてメンテナンスも少なく、日本では主流として活用されています。
中古リターダー一覧
リターダーと他の補助ブレーキとの違いは?
補助ブレーキにはリターダーの他に「排気ブレーキ」や「ジェイクブレーキ」があります。
「排気ブレーキ」はディーゼルエンジンを搭載する、より強いエンジンブレーキを必要とする大型の車両に装備される補助ブレーキです。
ディーゼルエンジンはエンジンブレーキの利きが弱いため、自動で減速する力を増加させるために排気ブレーキが装備されます。
排気ブレーキは減速のためのブレーキなので、排気ブレーキのみで停車することはできません。
一方「ジェイクブレーキ」は、メーカーごとに呼び名が異なり「パワータード(三菱ふそう)」、「エンジンリターダー(いすゞ・日野)」とも呼ばれています。
エンジンのシリンダーヘッドに油圧の回路を組み込み、シリンダー内の圧力を調整すること制動力を得ます。
排気ブレーキのみではエンジンブレーキが足りないため、ジェイクブレーキも使用されます。
リターダーは、排気ブレーキ・ジェイクブレーキ以上の制動力があります。
大型車にはパワーのあるディーゼルエンジンが搭載してあり、一度出たスピードを減速させるにはフットブレーキのみでは危険です。
長い下り坂などでフットブレーキを使用し続けると、熱が上がって「フェード現象」や「べーパーロック現象」が発生してブレーキが効かなくなり、車を制御できず危険な状態になってしまいます。
このようなリスクを減らすために、トラックなどの大型車にはリターダーなどの補助ブレーキが搭載されているのです。
トラックのブレーキの種類もチェック
リターダーなどの補助ブレーキの他にはどんなブレーキがあるのか、参考にご紹介します。
油圧式ブレーキ
一般的な乗用車や小型トラックには油圧式ブレーキが使用され、最も一般的なタイプのブレーキです。
油の圧力を活用して制動力を得る仕組みで、強く踏めばその分だけブレーキの利きが強くなります。
エアブレーキ
トラックやバスなどの大型車はエアブレーキが使われています。
エアブレーキは圧縮空気でブレーキシリンダを動かし、ブレーキをかける仕組みです。
油圧ブレーキと比べて制動力が強く、強く踏みすぎると急ブレーキになってしまい、事故の原因にもなりかねません。
かかとを床につけて、足の裏全体で優しくブレーキを踏むのがコツです。
トラックのリターダーの操作方法も詳しくチェック
リターダーのブレーキの操作方法は、減速したい時にレバー操作で行います。
その時にアクセルペダルとクラッチペダルを踏んでいると、排気ブレーキもリターダーも作動しません。
また、リターダースイッチレバーをオンにした状態でも走行は可能で、オンになっている状態でアクセルペダルから足を放すと、リターダーブレーキが作動します。
ただし、クラッチペダルを踏んでいるとリターダーは作動しないため注意が必要です。
アクセルペダルやクラッチペダルを踏むと、リターダーは解除されます。
リターダーが作動している間は排気ブレーキも連動して作動しています。
排気ブレーキだけを作動させることは可能ですが、リターダーだけを作動させることはできないことも覚えておきましょう。
トラックの総重量と積み荷の動きに注意しながら、坂道などの道路状況も考慮し、運転経験を積んで最適な減速方法を身につけていきましょう。
トラックのリターダーがもし故障したら?対処法も確認!
トラックの減速には欠かせない補助ブレーキのリターダーですが、故障してしまったらどうなるのでしょうか。
トラックの停車はフットブレーキで行えるため、直接の事故には繋がりません。
しかし、坂道などはエンジンブレーキだけでは減速力が足りず、大変危険です。
また、フットブレーキに負担がかかり、部品の劣化が早くなってメンテナンス費用も多くかかってしまうでしょう。
リターダーの故障原因で多いのは配線系です。
走行中に効きが悪いなど少しでも異常を感じたら、スピードをできるだけ出さないようにして、すぐに修理に出しましょう。
トラックのリターダーを上手に使い、安全運転を!
トラックなどの大型車にのみに搭載されている、スピードを減速させる働きがある補助ブレーキ「リターダー」。
リターダーの構造には「流体式」「電磁式」「永久磁石式」の3種類があります。
重量物を運ぶ大型トラックが下り坂でも安全に減速して運転できるのは、リターダーを使用しているからです。
リターダーのブレーキ力で、フットブレーキを踏む回数が大幅に軽減され、運転手の疲労を軽減するとともに、ブレーキパッドの摩耗が少なくなるのでメンテナンス費用が抑えられます。
リターダーの他にも排気ブレーキ、ジェイクブレーキなどの補助ブレーキを、タイミングや道路状況により使い分けて安全運転を心がけましょう!
リターダーは大型トラックを安全に運行させるために欠かせない装置です。
今乗っているトラックに装備されていない場合は、買い替えや後付けなどを検討してみるのも良いかもしれません。
グットラックshimaでもリターダーを多数ラインナップしています!
ぜひ在庫をチェックしてみてくださいね。