2020.09.10
トラックのクラッチのつなぎ方、コツを掴んで長く安全に乗りこなそう!
こんにちは!グットラックshimaです!
近年、普通乗用車では一般的になったAT(オートマチックトランスミッション)車。
トラックでも、技術の進歩と共にセミオートマチック車が開発され、クラッチのないトラックも出回るようになりました。
しかし、トラックは重量が重く新車のセミオートマチック車は高額なため、まだまだマニュアル車が主流。
クラッチを使用しての走行技術が必要です。
トラックのクラッチは、普通乗用車のクラッチとは異なり、操作が難しいと言われています。
今回は操作方法によって安全や寿命が変わってくるトラックのクラッチについて。
その仕組みや上手い操作方法・つなぎ方などを、詳しくお伝えします!
目次
トラックのクラッチの仕組みは?劣化にはつなぎ方が関わっている!
クラッチの役割は、エンジンの動力をトランスミッション(変速機)に伝えることです。
その役割や機能から、動力伝達装置とも呼ばれています。
トラックのクラッチは、トラックの重量に十分耐えられるように設計され、主に発進や停車、変速(ギアの切り替え)の際に、その機能を発揮します。
仕組みはシンプルで、エンジン側とタイヤ側にそれぞれつけられた板を、運転席の足元のクラッチペダルで操作します。
通常の状態で板は接触しているため、クラッチペダルを踏むと接触していた板同士が離れてタイヤが停止し、足を離すと元に戻ってタイヤが回転する仕組みです。
クラッチは半永久的に使えるわけではなく消耗品なので、操作方法や経年劣化で状態が悪くなれば交換が必要になります。
安全面とコスト面からも、できるだけ長く使用し、交換回数は減らしたいですよね。
中古トラック一覧
クラッチ劣化の原因は、大きく2つあります。
①クラッチ部品の摩耗
クラッチの部品は、フライホイールやクラッチディスクと呼ばれる板です。
日々の操作によって、この板が摩擦や接触ですり減ります。
②クラッチの誤ったつなぎ方
トラックの走行に半クラッチは必要不可欠ですが、必要以上に半クラッチを使用すると、クラッチがきちんと密着せず2枚の板がこすれてしまい劣化が早まります。
しかし、半クラッチを使わずクラッチをつないだり、回転数が上手く合っていない状態でクラッチをつなぐことも、破損の原因となるので注意が必要です。
以上の2つは、操作のコツで改善することができます。
次で劣化を遅くし、クラッチの寿命を伸ばす方法をお伝えしますね。
トラックのクラッチ操作のコツを伝授!上手なつなぎ方で寿命を伸ばそう
クラッチの劣化を遅らせ、寿命を伸ばす方法はいくつかあります。
たとえば激しいクラッチのつなぎ方をしてしまうだけでも、クラッチの板を痛めてしまい、劣化が早く進んでしまう原因になります。
物理的な面と操作技術面の両方がありますので、詳しく見ていきましょう。
定期的にクラッチの調整をする
2t車以下であればクラッチは自動調整となっていますが、大型トラックは手動で調整しなければなりません。
トラックのクラッチ操作は普通乗用車と比べて難しいですが、それ以前にクラッチ自体をケアしておくことをおすすめします。
クラッチは、時間が経つにつれズレや歪みが生じます。
また、スムーズなギアチェンジのためには、適当なゆとりが必要です。
そのゆとりを作っておくためにも、定期的なクラッチの調整はとても大切です。
自分で調整するには経験が必要なため、整備工場で行ってもらうのが確実でしょう。
シフトチェンジをゆっくりと行う
トラックのシフトチェンジをする際は、クラッチをつなげたらアクセルを踏んで回転数を上げます。
その後、クラッチペダルを踏みクラッチをはずしてから、ギアを切り替えてアクセルを踏みながらクラッチペダルを徐々に緩めて行います。
この動作をゆっくりとおこない、丁寧につなぐことがポイントです。
普通自動車やスポーツカーでは動作が早くてもシフトショックでガタガタいうことはありませんが、トラックではガタガタと揺れやすいためクラッチの消耗を早めてしまいます。
トラックはエンジンの回転数が元に戻るまでに時間があります。
ゆっくり焦らず丁寧にシフトチェンジしましょう。
シフトダウンでエンジンブレーキを使わない
普通乗用車のシフトダウンは、エンジンブレーキを使用して行います。
しかし、トラックのシフトダウンでは、エンジンブレーキを使用せずにおこなってください。
エンジンブレーキを使用するとクラッチの劣化に繋がりますし、シフトダウンの際に上手くクラッチをつなげるのは非常に難しいからです。
大型トラックには、リターダーという補助ブレーキが装備されています。
エンジンブレーキより高い制動性があるので、リターダーを活用しましょう。
トラックのなかには、エアブレーキや排気ブレーキが搭載されているものもあります。
これらのさまざまなブレーキを活用することでも、クラッチが劣化するのを防ぐことができます。
また、前述したように近年はセミオートマチックトラックも出回ってきています。
セミオートマチックであれば、クラッチ操作はコンピュータ制御で無駄に消耗することがないため、使用するのも1つの手です。
半クラッチ状態になることなく、無駄なシフト操作が格段に少ないセミオートマチックトラックは、まだ運転技術のない人でも運転できるので重宝しますね。
トラックのクラッチが劣化・寿命の場合の兆候は?
クラッチが消耗する部品であることは先に述べましたが、劣化の兆候にはどのようなものあるのでしょうか。
まず、トラックのクラッチの交換サイクルは、だいたい100,000kmを目安にするといいでしょう。
しかし、操作方法によって過剰な負荷がかかったりした場合は寿命が短くなりますので、100,000kmに達する前に交換すると安心です。
逆に先ほどご紹介した丁寧な操作やこまめな調整をしていれば寿命を伸ばすことができますので、ぜひおこなってみてくださいね。
では、次に劣化の兆候である「クラッチ滑り」についてご説明しましょう。
クラッチ滑りは、クラッチが正常に機能しなくなる状態です。
「クラッチペダルの踏みしろ」「発進時のエンストテスト」「走行中のギアチェンジ」で確認することができます。
「クラッチの踏みしろ」とはクラッチの遊びとも呼ばれる、クラッチペダルを踏んでからクラッチが切れるまでの状態を言います。
クラッチが劣化や消耗をすると踏みしろが少なくなり、クラッチ滑りを起こします。
逆に踏みしろが多いとクラッチを切りにくくなります。
適正な踏みしろ加減にすることが重要です。
「発信中のエンストテスト」は、サイドブレーキをしっかり利かせ、ギアを最高にシフトして一気にクラッチミートします。
クラッチミートと同時にエンジンが停止すれば正常。
ワンテンポ遅れてエンストすればクラッチ滑りになっています。
「走行中のギアチェンジ」は低速走行してギアを最高の1つ下にシフトし、一気に踏み込みます。
もし一瞬エンジンの回転数が上がった後、回転数が下がり加速が始まったら、クラッチ滑りが発生している可能性があります。
クラッチの寿命については「トラックのクラッチの寿命とは?正しく知って愛車を大切に」でも詳しく説明しています。
ぜひ参考にして、異常がある場合は早めの交換・修理を行いましょう。
丁寧なクラッチのつなぎ方や操作方法で安全なトラック走行を
トラックのクラッチは、普通自動車とは違い、その重量に耐えられるよう設計されています。
そして、その操作方法や劣化の原因も普通乗用車とは異なります。
劣化の原因は「クラッチ部品の摩耗」と「クラッチの誤ったつなぎ方」です。
クラッチの劣化を防ぎ寿命を伸ばすためには、激しいつなぎ方は厳禁です。
以下の3つのポイントに気をつけましょう。
- 定期的にクラッチの調整をする
- シフトチェンジをゆっくりと行う
- シフトダウンでエンジンブレーキを使わない
また、セミオートマチックのクラッチ操作はコンピュータ制御で無駄に消耗することがないため、使用するのも1つの手です。
劣化してくると、その兆候が出てきます。
まずは100,000kmを目安に点検・整備を怠らないことが大事です。
劣化のサインであるクラッチ滑りの症状が出たら、「クラッチペダルの踏みしろ」「発進時のエンストテスト」「走行中のギアチェンジ」で症状の原因を確認し、異常がある場合には早急に整備工場などで交換・修理を行いましょう。