2020.09.14
冷蔵冷凍車メンテナンス方法をご紹介!仕組みも知っておこう!
こんにちは!グットラックshimaです!
食品の配送に欠かせない冷蔵冷凍車。
もしも運転中に冷蔵冷凍車が故障してしまったら、運んでいる食品がダメになってしまいます。
品質を保てず食品を廃棄せざるを得なくなった場合、その損害はかなり大きいですよね。
そんなリスクを回避するためには、冷蔵冷凍車の日々のメンテナンスが大切。
今回は、冷蔵冷凍車のメンテナンスについて解説します!
まずは、冷蔵冷凍車の種類や仕組みについて解説します!
目次
まずは冷蔵冷凍車の種類や仕組みを知ろう
正しく冷蔵冷凍車をメンテナンスするためには、冷蔵冷凍車の種類や仕組みを知っておくことが大切です。
まず冷蔵冷凍車は、-5度前後までの冷却可能な中温車(主に鮮魚や精肉などを運送)と、-25度前後までの冷却可能な低温車(冷凍食品・アイスクリーム・傷みやすい鮮魚)があります。
冷蔵冷凍車には冷凍機が備え付けられており、その冷凍機の原動力はエンジン。
車両のエンジンをそのまま荷台を冷やす動力として使う「直結エンジン方式」と、荷台を冷やすエンジンを別に搭載して動力にしている「サブエンジン方式」の2種類があります。
市場の8割が「直結エンジン方式」の冷蔵冷凍車です。
「直結エンジン方式」は荷台内を冷やし続けるのに車両のエンジンをかけっぱなしにする必要がありますが、「サブエンジン方式」は冷凍専用エンジンを搭載しているため、車両のエンジンを切っても保冷することが可能です。
そのため「サブエンジン方式」は、長距離移動の多い輸送トラックに用いられています。
さらに冷凍機は機械式・窒素式・蓄冷式という3種類の冷却システムに分けられます。
それぞれを詳しくみていきましょう。
中古冷蔵冷凍トラック
機械式
機械式の冷却システムは、もっとも一般的な冷却システムです。
冷却の原理はクーラーと同様で、荷台の温度の調節も可能です。
まず、コンプレッサーで冷媒を圧縮し、圧縮によって高温、高圧になったガスをコンプレッサーによってコンデンサーに送ります。
コンデンサーでは、受けっとったガスを外気で冷却し、冷媒液に変えます。
冷媒液をエバポレーターに送ると、気化して荷台内の空気が冷却される仕組みです。
冷やされた空気をターボファンで循環させることで、荷台の中を均一に冷やせるのです。
また、温度はコントローラーで管理しています。
温度管理がしやすく保冷時間に制限もないため、機械式冷却システムの冷蔵冷凍車はどのような状況でも対応できるトラックです。
窒素式
窒素式の冷却システムは、もっとも冷却効率の高い冷却システムです。
荷台の冷却は、沸点-196℃の液体窒素を使って行います。
荷台部分を-40℃以下にまで冷却することができるのが、最大のメリットです。
特に傷みやすい生鮮食品(精肉、鮮魚)の運搬に適しています。
液体窒素を使用するため、液体窒素の補充が不可欠です。
輸送距離に限界があることと、液体窒素が高額なので、輸送コストが上がってしまう点には注意しましょう。
蓄冷式
蓄冷式の冷却システムは、もっともコストパフォーマンスが良く、経済的な冷却システムです。
荷台の冷却は、輸送時間外や夜間の時間を使って稼働させた冷凍機内で冷凍版を凍結させ、その凍結版の冷気を使って荷台内の温度を冷凍温度に保ち、おこなっています。
蓄冷式で冷却しておける時間は、8時間ほどです。
その時間内で配達可能な短距離輸送に適しています。また、頻繁に積荷の積み下ろしがある配送(青果やケーキなど)にも向いています。
冷蔵冷凍車の故障を防ぐためのメンテナンス項目
トラックの故障を防ぐために、メンテナンスは欠かせません。
法律では冷蔵冷凍車の定期点検として、3ヶ月に1回の簡易点検を義務付けています。
それに加えて、サブエンジン方式の冷凍機搭載の冷蔵冷凍車と、一部の基準にある直結エンジン方式の冷凍機搭載の冷蔵冷凍車は1年に1回以上の定期点検が義務付けられています。
これ以外でも日常的なメンテナンスを習慣にして、使用前には異常がないか確認しましょう。
点検をしながら1週間に1度は庫内を清掃し、乾燥させることも大切です。
また、冷蔵冷凍車は食品の運搬が主なので、荷台内は常に清潔に保ちましょう。
特に油分や塩分を多く含んでいる物を運搬したあとは、入念に清掃してくださいね。
日常点検の詳細や、大切な夏前の点検について、確認ポイントをご紹介します。
日常点検および簡易点検の確認ポイント
日常点検および簡易点検のチェックポイントは、主に以下の5箇所です。
ドレンホース
ドレンホースは冷却機能を保つための重要なパーツです。
不衛生になりやすいので定期的にドレンホースを水洗いし、ホースの先端を開いてゴミを取っておきましょう。
また、ホースの破損は冷気を逃がしてしまうので、冷却機能の低下に直結します。
破損をしていないか、日常点検で必ず確認してください。
パッキンやコーキング
パッキンの劣化やコーキングの剥がれは、ドレンホースと同様に冷却機能を明らかに低下させます。
パッキンは早めの交換を心がけ、コーキングも早急に修理しましょう。
すぐに修理が無理な場合でも、テープなどを貼り応急処置をしておくといいですね。
コンプレッサーベルト(機械式)
コンプレッサーベルトがゆるんでいると故障の原因となります。
ベルトを軽く押してゆるんでいないか確認しましょう。
荷台の壁
荷台の外側・内側共に、壁に穴が開くくらいの傷があれば断熱効果に影響を与えるため、早急に修理の必要があります。
点検の際は目でよく確認して、小さな穴も見逃さないようにしましょう。
冷媒封入量の確認
冷媒が多くても少なくても、冷却機能は低下します。
まずは漏れていないかの確認をし、量が適量であるかも確認しましょう。
適量の目安は冷却装置を10分以上稼働させてからのサイドグラスで判断し、ほぼ透明であれば適量です。
気泡や霧のようなものの流れが見えたら、不足している証拠です。
逆に冷媒封入量が多すぎる場合は、冷媒が蒸発器内で蒸発しきれずに吸込みパイプを通って、圧縮機側に戻ってくるためわかります。
夏前のメンテナンスでの確認ポイント
日々の点検や簡易点検に加え、夏季の繁忙期に入る前には必ずメンテナンスをおこないましょう。
特に機械式の冷凍機を搭載している冷蔵冷凍車は、精密機器のメンテナンスも加えておこなう必要があります。
機械式の説明で記載しましたが大きく分けて以下の6部品ありますので、専門知識を持った方にチェックしてもらえると安心です。
- コンプレッサー
- エバポレーター
- コンデンサー
- 冷媒配管
- キャビンコントローラー
- コントロールボックス
以上6部品のうち1つでも異常があれば、冷却機能は正常に動作しません。
万が一、輸送中に故障となれば、多くの損害を出すことになります。
夏前のシーズンイン点検をおこなっている業者もありますので、不安な場合はメンテナンスに出してみるのがおすすめです。
点検をしっかりと行い、故障を早期発見しトラブルを未然に防ぎましょう。
他にもエバポレーター、コンデンサー、キャビンコントローラー、コントロールボックスなどの部品があり、故障すれば冷却機能は維持できません。
また、故障のサインは温度計のエラーとスタンバイが動かないなどの機能不全です。
まれにサインが出ずに冷凍機が冷えないという場合もありますが、この場合はコンプレッサーが切れてしまった可能性があります。
冷凍機の故障を起こさないためには日常点検や簡易点検、夏前の点検をおこなうことが重要です。
正しい点検箇所や点検方法を身につけて、暑い夏の繁忙期に備えましょう!
冷蔵冷凍車には日々のメンテナンスが不可欠!
冷蔵冷凍車と一口に言っても「直結エンジン方式」「サブエンジン方式」があり、さらに「機械式」「窒素式」「蓄冷式」に分けられるなど、搭載されている冷凍機の種類は様々。
どの方式の冷凍機を搭載しているかによっても、義務付けられている点検の頻度が異なる点には注意が必要です。
日々のメンテナンスのチェックポイントは次の5つ。
- ドレンホース
- パッキンやコーキング
- コンプレッサーベルト(機械式)
- 荷台の壁
- 冷媒封入量
特に夏の繁忙期に入る前のメンテナンスは入念に。
業者のシーズンイン点検などを利用するのもおすすめですよ!
日々のメンテナンスをしっかり行うことは、配送中のトラブル予防にもなります。
商品を安全に届けられるよう、日々のメンテナンスを習慣化できるといいですね!