2022.07.03
トラックのコモンレールシステムとは?特徴や仕組みを詳しく解説
こんにちは!グットラックshimaです!
トラックの「コモンレールシステム」というものをご存知でしょうか?
コモンレールシステムはディーゼルエンジンに欠かせないシステムの1つで、これによりディーゼルエンジンの性能は飛躍的に向上しました。
今回は、コモンレールシステムについてのお話です。
コモンレールシステムの特徴や歴史、仕組みなどを詳しくご紹介します。
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目次
トラックのコモンレールシステムとは?その歴史や特徴を解説
トラックのコモンレールシステムとは、ディーゼルエンジンの燃焼噴射をコントロールする装置のこと。
ディーゼルエンジンは、シリンダーの内部を高圧にすることで、自力で発火させます。
その際、コモンレールシステムの蓄圧室に高圧の燃料を一度溜めこむことで、各気筒に燃料を分配し、いつでも燃料を高圧噴射することができます。
トラックにおけるコモンレールシステムの歴史
コモンレールシステムが登場する前まで、トラックのディーゼルエンジンは分配型燃料ポンプ式の噴射システムを採用していました。
その際、燃料噴射ポンプに搭載されている機械装置で噴射量や噴射のタイミングなどを制御していましたが、エンジンの回転数や速度に依存性があったため、回転速度や負荷域の自由度が小さいという問題がありました。
また、エンジン回転速度への依存性の高さから、当時のディーゼルエンジンは発進や加速時に黒煙が出るという現象が起こっていました。
そんな中、自動車の排出ガス規制の強化が年々強まり、ディーゼルエンジンのスモークへの問題意識が高まりつつあるときに、PM(スス)の排出量を抑えるための高圧化を可能にした電子制御式燃料噴射システム「コモンレールシステム」が登場したのです。
トラックのディーゼルエンジンにコモンレールシステムが搭載されたのは、1995年のこと。
前述の通り、コモンレールシステムでは蓄圧室に高圧の燃料を溜めておくことで、噴射時期と噴射時間を制御しながら燃料の高圧噴射ができます。
本格的な噴射の前に細かい制御を行いながら少しずつ噴射できるので、燃料の気化が促進されて完全燃焼し、PM(スス)の発生を抑えることができるようになりました。
コモンレールシステムの登場により、ディーゼルエンジンの燃料の噴射精度が向上しただけでなく、環境にも配慮できるようになったのです。
トラックのコモンレールシステムの仕組みもチェック
次に、トラックのコモンレールシステムの装置構成について見ていきましょう。
コモンレールシステムは、「ポンプ」「レール」「インジェクタ」「ECU」という、4つの装置で構成されています。
ポンプ
燃料に圧力(最大1,800気圧)をかけて高圧にし、レールへ送ります。
レール
ポンプから送られた高圧燃料を一時的に貯めておくための蓄圧室です。
インジェクタ
エンジン1気筒につき1つ搭載された、高圧燃料を噴射するパーツ。
ECU
圧力と燃料の噴射量や時期を制御する制御装置。
インジェクタはこのECUの指示に従って燃料を噴射します。
トラックのコモンレールシステムには5回の噴射がある!
トラックのコモンレールシステムでは一度の燃焼の行程で、メインの噴射のほかにその前後に2回ずつ、最大5回の噴射があります。
それぞれの噴射には名前がついていて、順に「パイロット噴射」「プレ噴射」「メイン噴射」「アフター噴射」「ポスト噴射」と呼ばれ、役割が異なります。
「パイロット噴射」は、着火前に空気と燃料を混合させる役割があります。
そうすることで、ディーゼルエンジンならではのガラガラという燃焼音を抑えることができます。
次の「プレ噴射」は、燃焼温度を緩やかに上昇させるため、小さく発火。
そうすることで、メイン噴射時の粒子状物質の発生を抑えることができます。
「メイン噴射」は、出力を行うための噴射で、その名の通りメインとなる噴射です。
メイン噴射のあとは「アフター噴射」を行います。
メイン噴射の際の燃え残りをなくすために行う噴射で、これによって完全燃焼に近づけます。
最後が「ポスト噴射」。
排気管に燃料を送ることを目的とした噴射で、DPFにたまったPM(スス)を燃やしてフィルターの目詰まりを防ぎます。
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コモンレールシステムはトラックに欠かせない装置
トラックのディーゼルエンジンは、シリンダーの内部を高圧にすることで、自力で発火させます。
そのディーゼルエンジンの燃焼噴射をコントロールする装置が、コモンレールシステムです。
コモンレールシステムの蓄圧室に高圧の燃料を一度溜めこむことで、各気筒に燃料を分配し、いつでも燃料を高圧噴射することが可能。
「ポンプ」「レール」「インジェクタ」「ECU」という、4つの装置で構成されるコモンレールシステムは、ディーゼルエンジンの燃料の噴射精度を向上させるだけでなく、環境にも配慮しています。
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