2021.03.16
トラックの板バネとエアサスの違いとは?サスペンションの選び方も
こんにちは!グットラックshimaです!
トラックのみならず、自動車全般にとって大切なサスペンション。
その形の違いから、板バネ(リーフサス)とエアサス(エアーサスペンション)の2種類に分けられています。
この2つの違いについて、詳しくご存知でしょうか。
トラックの使用用途によっては、サスペンションの違いでトラックを選ぶことが必要になるかもしれません。
そこで今回は、知っておくととても役に立つサスペンションの種類「板バネ(リーフサス)」と「エアサス」の特徴をご紹介します。
目次
トラックのサスペンションとは?
多くの荷物を積載し、長距離を移動することもあるトラック。
乗り心地の良さや荷物への負担軽減は、トラックを選ぶ上でも大切なポイントです。
その、重要なポイントを左右するのがサスペンション。
サスペンションは、路面の凹凸の衝撃やカーブ時の車体の傾きを、水平に保つのが主な働きです。
トラックの車体とタイヤを繋ぐ車軸の間に装備されています。
サスペンションの種類は、構造と形それぞれ2種類ずつに分けられます。
構造の種類は、「独立懸架式」と「車軸懸架式」の2つ。
それぞれ振動や衝撃の伝わり方が違います。
「独立懸架式」は別名「インディペンデント・サス」と呼ばれ、その名の通りそれぞれの車軸にそれぞれサスペンションが装備されおり、独立したサスペンションによって成り立っています。
メリットは操作性と安定性、乗り心地に優れていることです。
「車軸懸架式」は、左右のタイヤを繋ぐ車軸にサスペンションが装備されています。
メリットは簡単な構造であることと、高い耐久性です。
しかし左右が繋がっているので、片方のタイヤに衝撃があった場合、反対側のタイヤにも衝撃が伝わってしまう点には注意が必要です。
代表的な形の種類は、板バネを使ったリーフサスと、高圧空気を充填したゴム製クッションを用いたエアサス(エアーサスペンション)の2つ。
今回のテーマである2種類のサスペンションについて、次で詳しく説明していきましょう。
サスペンションの中古部品
トラックで板バネを使ったリーフサスの仕組みやメリット・デメリット
サスペンションの種類の1つ、「板バネ」とも呼ばれる「リーフサス」。
リーフ式サスペンションの略で、トラックの多くに装備されています。
アーチ状になっている鋼などの素材で作られた板バネ4~8枚程度で構成され、板バネを伸縮させて路面からの衝撃を吸収する仕組みになっています。
自動車製造前から、馬車などに使用されていたサスペンションを改良して出来たため、実用性に優れています。
板バネは高い耐久性をもつので、重い荷物にも耐えられ壊れにくいというメリットがあります。
また、シンプルな構造で価格も安く修理もしやすいため、購入後のメンテナンス費用が抑えらえられるというのも、購入する側としては大きなメリットでしょう。
しかし構造上、鋼などの素材でできた板バネが、むき出しの状態で走行するため錆びやすいのがデメリットです。
また、板バネは衝撃により変形を重ねることで、金属疲労を起こしやすくなります。
その点にも注意して点検しましょう。
最大積載量を守ってサスペンションを長持ちさせてくださいね。
トラックの新主流「エアサス」の仕組みやメリット・デメリット
エアサスとはエアーサスペンションの略で、1990年代からバリアフリー対策仕様のノンステップバスなどに採用されたのが始まりです。
その後トラックへも徐々に採用され始め、現在は長距離輸送のトラックには欠かせない存在になっています。
鋼板製の板バネの代わりに、高圧空気を充填したゴム製のクッションのようなものが、サスペンションとして使用されています。
最大のメリットは、高い衝撃吸収性能です。
積載量に関わらず、どの重量の場合でも適切に衝撃を緩和し、快適な乗り心地を実現できます。
また、空気圧によって稼働しているため、空気圧の調整により車高調整が可能です。
荷物の積み下ろしが楽になるため、作業効率がアップします。
その反面デリケートな構造ゆえに、修理費用が高くなってしまう可能性もありますので、注意して使用しましょう。
エアサスの正しい使用方法については「トラックのエアサスの正しい使い方!上手く使って快適走行」に詳しく載っていますので、あわせてご覧ください。
さらに、エアサスの寿命を延ばし修理を少なくする方法について「トラックのエアサスは寿命が長い!故障のサインや寿命を延ばす方法」で詳しく説明しています。
エアサス搭載トラック使用の際には、ぜひ目を通しておいてくださいね。
トラックは板バネ(リーフサス)かエアサス、どちらがおすすめ?
それぞれメリットのある板バネ(リーフサス)とエアサスですが、どちらを搭載したトラックを使用するのがいいのでしょうか。
積載する荷物の重量や種類によって使い分けることで、作業効率や収益率をアップさせることができるので、どちらを選ぶかはとても重要です。
板バネを利用したリーフサスは、導入時のイニシャルコストが安価でメンテナンス費用も抑えられる点から、コストパフォーマンスがいいので多くのトラックに搭載されています。
積荷は、鉄骨や木材などの積載量が多く衝撃に強いものが主流です。
エアサスは導入時のイニシャルコストが高く、メンテナンス費用も高額となるため、ランニングコストもかかります。
その代わり衝撃吸収性能は高いので、繊細な衝撃に気をつけなければならない積荷を多く扱う場合に最適です。
精密機器やこわれものを扱う輸送を担当することが多い場合は、エアサス搭載トラックを選びましょう。
圧縮空気で車高を調整できるため、積み下ろし時の作業も楽にできますよ。
トラックの板バネ(リーフサス)とエアサスは使用用途で使い分け!
積荷の安定輸送と乗り心地向上に欠かせないサスペンションには、板バネを利用したリーフサスと、ゴム製クッションに圧縮空気を入れたエアサスがあります。
耐久性に優れコストパフォーマンスのいい「板バネ(リーフサス)」は、鉄鋼や木材などの衝撃に強く比較的積載量の多い荷物輸送に適しています。
衝撃吸収性能が高い「エアサス」は、イニシャルコストやランニングコストがかかるので、精密機器やこわれものの輸送の長期契約がある場合に適しています。
また、圧縮空気の調整で車高が変えられる点も、積み下ろし時の衝撃を最小限にできるので、精密機器輸送に採用されるポイントになっています。
使用用途や購入予算によって、サスペンションの種類を選択することで、作業効率や収益率をアップすることができます。
自分に合ったトラックを見つける際には、サスペンションの種類にも気をつけて選べるといいですね。