2020.12.24

事故に繋がるトラックの内輪差とは?安全運転のコツや計算方法も!

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こんにちは!グットラックshimaです!

 

トラックに限らず、車を運転する方なら誰でも聞き覚えのある言葉である「内輪差」。

右折時や左折時に内輪差を見誤ると、大きな事故を引き起こすことにもなりかねません。

 

普通自動車に比べて車体が大きいトラックは、ことさら内輪差に注意して運転しないと、大きな事故につながる可能性があります。

 

ここでは内輪差とは何なのかを基本から確認し、事故を起こさないための運転のコツをお伝えします。

内輪差の計算方法もご紹介し、具体的に数字でイメージできるように解説していきます!

 

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トラックの内輪差とは?どんな事故につながる可能性が?

そもそもトラックの内輪差とはどういうものなのか、詳しく確認しておきましょう。

その内輪差が原因で引き起こされる可能性のある事故についても、お伝えしていきます。

 

トラックの内輪差とは

トラックの内輪差とは、「右折または左折時に、前のフロントタイヤが描く軌道よりも、後ろのリアタイヤの軌道が内側になることでできる、2つの軌道の差」のことです。

内輪差のイラスト

上のイラストで、赤線で示されているのがフロントタイヤとリアタイヤの各軌道です。

フロントタイヤよりもリアタイヤの方が、だいぶ内側を通っていることがわかりますね。

そして、その間のピンク色の部分が内輪差になります。

 

トラックの内輪差は、ホイールベース、つまり前輪と後輪の中心間の距離が長ければ長いほど大きくなります。

 

トラックの車体が大きくなればなるほどホイールベースは長くなり、内輪差も比例して大きくなりますので、かなりの注意が必要です。

 

 

トラックの内輪差で起こりやすい事故とは

トラックの内輪差が原因で引き起こされる事故は、もちろんカーブで起こります。

 

歩道への乗り上げのような軽微な事故から、排水溝への脱輪、壁や塀、トラックのボディを擦ってしまうという破損事故もよくある事故です。

 

そして、重大なのは人身事故。

歩行者や、並走する自転車、バイクなどをカーブで巻き込んでしまう巻き込み事故は、命にかかわる大事故につながる可能性もある、たいへん危険な事故です。

 

トラックの内輪差による事故を防ぐ運転のポイント

大型トラック

それではトラックの内輪差による事故を起こさないための、運転のポイントをお伝えしていきましょう。

 

後輪の軌道をイメージしてミラーで確認する

まずは内輪差が生まれるメカニズムをもう一度確認し、リアタイヤはかなり内側の軌道を描くということをいつも意識しておきましょう。

前方に向けられがちな注意力を後方にも注ぎ、リアタイヤが描く軌道をイメージしてカーブを曲がることが大切です。

 

さらに、ミラーを少し下向きに調節して、内側のリアタイヤの軌道を確認しながらハンドルを切ります。

もし縁石に乗り上げそうになったり、壁を擦ったりしそうなときは、落ち着いて周りを確認し、一度バックしてハンドルを切り直しましょう。

 

事故を起こしては元も子もありませんので、ゆっくり慎重に確認しながら運転してください。

 

 

急なハンドルさばきをしない

急なハンドルさばきは、大事故の原因になりますので、大変に危険です。

ハンドルをきつく切ると、それだけ大きい内輪差が生まれてしまいます。

もちろんカーブの度合いにもよるのですが、できるだけ穏やかに、カーブに合わせてハンドルを切るようにしてください。

切り過ぎてしまった場合は逆にハンドルを切って、ゆっくり軌道修正しましょう。

 

穏やかにハンドルを切っているにも関わらず、リアタイヤが何かにぶつかりそうになってしまう場合は、ハンドルを切るタイミングが早すぎることが原因と考えられます。

焦らずにリアタイヤの描く軌道をイメージしながら、ハンドルを切るタイミングを少し遅らせることで、スムーズにカーブを曲がることができます。

 

トラックを運転するコツについては、「トラックを運転するコツを知りたい!乗用車とは何が違う?」でも詳しく解説しています。ぜひご一読くださいね。

 

 

トラックの内輪差の計算方法も確認!

トラックの内輪差は、計算で求めることができます。

内輪差を数値で具体的に把握しておくことで、リアタイヤの描く軌道をより正確にイメージすることができるようになります。

 

少しややこしいけれど正確な数値が求められる計算方法と、ジャストな数値ではないけれど大体このくらいという数値が求められる計算方法があります。

 

両方ともお伝えしていきますね。

 

ピタゴラスの定理を用いた計算方法

トラックの内輪差は、ピタゴラスの定理、別名「三平方の定理」を用いて算出することができます。

ピタゴラスの定理とは直角三角形において、直角をつくる2辺の2乗の和は、斜辺の2乗と等しくなるという定理です。

 

この公式にホイールベースの長さ、左右のタイヤの距離である車幅、最小回転半径の3つの数値を代入して計算します。

内輪差の計算の図解

最終的に、ODからOCの長さを引いたものが内輪差になります。

 

それでは、ODとOCの長さをピタゴラスの定理を使って求めていきましょう。

 

OAの長さを最小回転半径といい、トラックの車種によって決まっています。

ABはホイールベース 、CBは車幅なので、これも車種によって決まっています。

 

三角形OABに注目し、ピタゴラスの定理を用いてその数値を次の式に代入すれば、OCの長さが求められます。

 

OC =(OAの2乗 ー ABの2乗)の平方根 ー CB

 

OCが求められれば、三角形ODCに注目し、ピタゴラスの定理を用いてODが求められます。

 

OD =(DCの2乗 + OCの2乗)の平方根

 

そして、このOCからODを引いた数値が内輪差です。

 

ISUZUの中型車カーゴ標準幅フルキャブを例に挙げてみましょう。

ホイールベースが4.86m、トレッドが1.66m、最小回転半径が7.2mです。

 

OC =(7.2の2乗 ー 4.86の2乗)の平方根 ー 1.66
=(51.84 - 23.6196)の平方根 ー 1.66
= 5.312 ー1.66
= 約3.652

OD =( 4.86の2乗 + 3.652の2乗)の平方根
= ( 23.6196 ー13.337104)の平方根
= 約6.079

6.079 ー 3.652 = 2,427

 

この車両の内輪差は、2.427mと算出されました。

 

 

簡単な内輪差の計算方法

ピタゴラスの定理を用いた計算方法は、正確な数値が出ますが少し計算が複雑です。

そこで、もっと簡単な内輪差の計算方法をご紹介します。

 

この算出方法は、きっちり正確なものではなく、あくまでも目安としてお考え下さい。

とは言え運転時は、正確な長さを測ってハンドルを切っているわけではありませんので、大まかな数値を知っておくだけでも役に立つと思われます。

 

内輪差 = ホイールベース ÷ 3

 

先ほどのISUZUの中型車カーゴ標準幅フルキャブを例に、計算してみましょう。

ホイールベースは4.86mです。

 

内輪差 = 4.86 ÷ 3
= 1.62

 

この車両の内輪差の目安は、1.62mと算出されました。

ピタゴラスの定理を用いて算出した値との差は、0.807mです。

 

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トラックの内輪差を意識して、安全運転を!!

普通自動車に比べて、車体の大きいトラック。

それだけに内輪差も大きくなり、ひとつ間違うと大事故につながる危険性があります。

 

運転するトラックの内輪差をよく把握し、カーブではリアタイヤの描く軌道を常にイメージして安全運転を心がけてくださいね。

 

内輪差を見誤ってしまったときも、慌てず焦らず、周囲の安全を確認しつつ冷静に対処してください。

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