2022.12.03
中古トラックの耐用年数は?減価償却の方法や長持ちさせる方法も解説
こんにちは!グットラックshimaです!
トラックを購入したときは、一括で経費にするのではなく、耐用年数を算出した上で、減価償却を行います。
ただ、中古トラックの耐用年数がよく分からないという、担当の方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、中古トラックの耐用年数について詳しく解説します。
後半では、減価償却の方法や年数を伸ばす方法についてもご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
中古トラック一覧
目次
中古トラックの耐用年数は?
耐用年数の数値を出す前に、まずは簡単に「耐用年数とはなにか。」についてお話したいと思います。
耐用年数を理解する上で重要となるのが、耐久消費財です。
耐久消費財とは、トラックの車両やパソコン、エアコンなどのように、複数年に渡って利用できる資産のことを指します。
耐久消費財はいつまでも利用できる訳ではなく、年々資産価値は目減りしていきます。
費用は一括で経費にするのではなく、まずは法律で定められた耐用年数で割ります。
期間が来るまでは、経費として計上することが可能です。
これを減価償却といいますが、それについては後ほどご紹介します。
中古トラックの耐用年数は、指標となるのはトラックを新車で買った際の耐用年数です。
新車トラックの耐用年数は、以下のとおり。
【一般的なトラック】貨物自動車
- ダンプ式のもの:4年
- ダンプ式以外のもの:5年
【運送を主業務とする場合】運送事業用、貸自動車業用又は自動車教習所用の車両及び運搬具
- 大型乗用車(総排気量が3リットル以上):5年
- 小型車(積載量が2トン以下):3年
【特殊自動車】トラックミキサーやレッカーなどの特殊車体
- 小型車(総排気量が2リットル以下):3年
- その他のもの:4年
新車トラックの耐用年数については「トラックの耐用年数と減価償却ってどんなもの?買い替え時期は?」こちらの記事もご参考ください。
中古トラックは、新車トラックの耐用年数を基に考えますが、以下のケースで計算方法が異なります。
- 耐用年数が過ぎている場合
- 耐用年数が一部過ぎている場合
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
耐用年数が過ぎている場合
新車トラックを基準とした耐用年数が過ぎている中古トラックは、簡便法と呼ばれる以下の計算式で耐用年数を算出します。
計算式
法定耐用年数 × 20% = 中古トラックの耐用年数
例えば、新車トラックの耐用年数が5年だった場合、中古トラックの耐用年数は、5年×20% = 1年となります。
計算結果は1年となりますが、2年未満の場合は一律で耐用年数を2年とするので、上記の例では、中古トラックの耐用年数は2年です。
耐用年数が一部過ぎている場合
続いて、耐用年数が一部過ぎている場合を考えてみましょう。
この場合の計算式は、以下のようになります。
計算式
(法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20% = 中古トラックの耐用年数
例えば、新車トラックの耐用年数が5年で、現時点で3年経過している中古トラックの場合、(5年 − 3年)+ 3年 × 20% = 2.6年となります。
2年以上の場合、計算結果で端数が出てきた際は、切り捨てて考えます。
そのため上記の例では、中古トラックの耐用年数は2年です。
ここまでに、中古トラックの耐用年数の計算方法についてご紹介してきました。
続いては、耐用年数を基にした減価償却の方法についてチェックしていきましょう。
中古トラックの減価償却方法もチェック
減価償却とは、年々資産価値が減っていく対象物を、耐用年数を基にした年数を使って経費計上することです。
毎年資産価値が目減りするものなのに、現在と5年後で同じ価値のものを持っていると判断されることを防ぐために、減価償却の考え方を身につけることは重要です。
減価償却の方法には、定額法と定率法の2つがあります。
なお、減価償却できる費用には、消費税や手数料など、車両本体価格以外も含まれています。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
定額法
定額法は、毎年同じ額を償却し、経費計上する方法です。
計算方法は単純で、車両取得にかかわる費用を耐用年数で割り、それを耐用年数の期間、毎年計上します。
例えば、車両取得に合計200万円かかったケースを考えてみましょう。
この中古トラックの耐用年数が5年の場合、200万円÷5年で、毎年40万円ずつを5年間計上します。
ちなみに、最終年度は1円引いて経費計上します。
これは、資産価値を持っていることを、経理上証明するためです。
最終的に、売却もしくは廃棄するときに精算します。
定率法
定率法とは、残存する資産価値に償却率をかけて、減価償却する方法です。
定額法と比べて、初期の頃の減価償却費が多くなる点が特徴です。
ただ、一定の率をかけるだけでは、いつまで経っても減価償却できないという現象が起こります。
そのため、定率法では保証率が定められており、あらかじめ決められた額(償却補償額)を、資産価値が下回った場合、定額法に切り替わります。
説明だけでは分かりづらいと思うので、例を見てみましょう。
例えば、耐用年数が5年で保証率が0.108、償却率が0.400、改定償却率が0.500の、500万円の中古トラックを購入したとします。
この場合の償却保証額は、5,000,000 × 0.108 = 540,000円です。
具体的な償却額は以下のとおりです。
- 1年目:5,000,000×0.400=2,000,000円
- 2年目:(5,000,000-2,000,000)×0.400=1,200,000円
- 3年目:(5,000,000-3,200,000)×0.400=720,000円
- 4年目:(5,000,000-3,920,000)×0.400=432,000円
4年目の償却額は432,000円となり、償却保証額を下回ったので、4年目以降は定額法に切り替わります。
4年目以降は、改定償却率を使って、償却額を計算します。
- 4年目:(5,000,000-3,920,000)×0.500=540,000円
- 5年目:((5,000,000-3,920,000)×0.500)-1 =539,999円
5年目で1円を引くのは、定額法と同じく、資産価値を持たせるためです。
中古トラックの減価償却の特例
減価償却には、中小企業や個人事業に認められている特例があるので、対象者は積極的にこの税制を利用しましょう。
取得金額の耐久消費財を購入した場合、30万円未満なら、合計300万円を上限に、20万円以下なら、その全額を損金として計上できます。
1年で考えると金額がオーバーしていても、3年をかけて均等償却できます。
新車のトラックを30万円未満で購入するのはなかなか難しいかもしれませんが、中古トラックなら、30万円未満で購入して、それを経費にできるお得な制度です。
青色申告書を提出する、従業員が1,000人以下、資本金や出資金が1億円未満などの条件もありますが、特例を利用すればトラックを購入して節税対策を行えます。
中古トラックの耐用年数をできるだけ延ばす方法は?
中古トラックの法定耐用年数をできるだけ延ばす方法は、残念ながら存在しません。
というのも、中古トラックの耐用年数は新車トラックの法定耐用年数を指標にしており、これは法律で定められているからです。
ただ、耐用年数が過ぎても、トラックを長持ちさせる方法ならあるので、そちらをご紹介します。
トラックに長く乗るためには、以下のポイントを意識しましょう。
- メンテナンスを行う
- トラックに負荷をかけすぎない
それぞれについて解説します。
メンテナンスを行う
トラックの定期的なメンテナンスは、長く乗るためには欠かせません。
メンテナンスは、期間や時期を決めて、習慣を付けることが大事です。
トラックでは、乗用車と同じく以下のメンテナンスを行いましょう。
- エンジンオイルの交換
- 傷やサビの確認
- タイヤ交換
エンジンオイルは、走行距離の長いトラックでは、早めの交換が必要です。
小型のトラックで2万km、大型のトラックで4万kmを目安として、定期的に交換しましょう。
トラックの傷は放っておくと、サビになりトラックの寿命を縮めることになります。
傷が付いたときにすぐに補修し、サビを防止することが大事です。
寒い地域では、融雪剤もサビの原因となるので、洗車してトラックをきれいにすることも忘れずに。
タイヤの交換も欠かせません。
タイヤが劣化すると、車体の揺れにつながり大きな負担がかかります。
車体が揺れることで、荷物が傷つき、ドライバーも危険にさらされるので、定期点検を行い、おかしいと思ったら交換しましょう。
トラックに負荷をかけすぎない
トラックはただでさえ長距離を走るので、日常的に負担がかかっています。
長く乗るためには、余計な負担をかけすぎないことが重要です。
例えば、急にアクセルやブレーキを踏み込む行為は、トラックの部品を痛めつけ、寿命を縮めます。
ゆっくりと発進、余裕を持ったブレーキを心がけましょう。
トラックの最大積載量を超えないことも、意識しなければなりません。
ギリギリまではOKという考え方ではなく、なるべく余裕を持たせて荷物を積むようにしましょう。
また、エンジンを始動したばかりで走り出すと、特に冬はエンジンが温まっていないので、エンジンにかかる負担が大きくなります。
ただ、アイドリングの時間が長いと環境にも悪影響なので、ある程度エンジンを温めたら、発進しましょう。
夏は十分エンジンが温まっているので、エアコン待ちせずに走り出すのが最適です。
中古トラック一覧
中古トラックの耐用年数を把握し、減価償却を行おう
今回は、中古トラックの耐用年数の算出方法と、減価償却の方法について見てきました。
中古トラックの耐用年数は、新車の法定耐用年数を基に、耐用年数が過ぎている場合と一部過ぎている場合に分けて考えます。
減価償却の方法は、定額法と定率法の2種類。
中小企業や個人事業主の場合は、減価償却の特例を使って節税も可能です。
残念ながら法律で定められているので、耐用年数を延ばすことはできません。
ただ、トラックのメンテナンスを行う、負荷をかけすぎないなどの対策を取っていれば、耐用年数が過ぎても長持ちします。
減価償却期間が過ぎたタイミングで、新しいトラックを探してみるのもありです。
グットラックshimaでは、トラックの購入や買取を行っております。
トラックの購入先もしくは売却先をお探しの方は、ぜひご利用をご検討ください!